最新記事

パンデミック

世界に広がり始めたオミクロン株 リスクと今できることは?

2021年11月29日(月)10時38分

それでも、1)これまでに世界全体で約80億回接種されたワクチンの防護機能が引き続き維持されるか、2)過去に感染した人はオミクロン株の感染を免れるか──という最大の疑問は残されたままだ。

さらにオミクロン株が他の株よりも重症化につながりやすいかどうかも、専門家は解明していない。

◎今できる対策

オミクロン株は米国でまだ確認されていないものの、おそらく既に存在する、というのが科学者の見立てだ。

もっとも、米国ではオミクロン株が確認されていない今でさえ、新規感染者数が増加傾向にある。特に寒さを避けて屋内で活動する機会が多い北部の州が主な感染地域となっている。

幾つかの国は、南アからの入国者の制限を開始。ピッツバーグ大学医療センターのシュナイダー氏は、こうした政府の措置だけでなく、個人でも年末の旅行を考える際に引き続き自分が新型コロナに対してどれだけ脆弱(ぜいじゃく)か、どこまでリスクを許容できるか判断しなければならないと提言した。

シュナイダー氏らはワクチンについて、オミクロン株に対する効果に疑問が生じているとはいえ、ある程度は効く可能性が大きいので、依然として優先的な対策になるはずだと主張している。マスクを着用し、密集を避け、部屋は換気を心掛けて手を洗う、という行動は誰もが必要になる。

カリフォルニア州ラホヤにあるスクリプス・リサーチ・トランスレーショナル研究所のエリック・トポル所長は「われわれはいかなる変異株にも有効な全ての手段を持っている」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期速報値0.3%減 関税で3年ぶ

ワールド

トランプ氏、「好きなだけ」政権にとどまるよう要請 

ワールド

中国との公正な貿易、知的財産権の管理も含まれる=ト

ビジネス

独CPI、4月速報は+2.2% 予想上回るも伸びは
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 2
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・ロマエとは「別の役割」が...専門家が驚きの発見
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 7
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 8
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中