世界に広がり始めたオミクロン株 リスクと今できることは?
それでも、1)これまでに世界全体で約80億回接種されたワクチンの防護機能が引き続き維持されるか、2)過去に感染した人はオミクロン株の感染を免れるか──という最大の疑問は残されたままだ。
さらにオミクロン株が他の株よりも重症化につながりやすいかどうかも、専門家は解明していない。
◎今できる対策
オミクロン株は米国でまだ確認されていないものの、おそらく既に存在する、というのが科学者の見立てだ。
もっとも、米国ではオミクロン株が確認されていない今でさえ、新規感染者数が増加傾向にある。特に寒さを避けて屋内で活動する機会が多い北部の州が主な感染地域となっている。
幾つかの国は、南アからの入国者の制限を開始。ピッツバーグ大学医療センターのシュナイダー氏は、こうした政府の措置だけでなく、個人でも年末の旅行を考える際に引き続き自分が新型コロナに対してどれだけ脆弱(ぜいじゃく)か、どこまでリスクを許容できるか判断しなければならないと提言した。
シュナイダー氏らはワクチンについて、オミクロン株に対する効果に疑問が生じているとはいえ、ある程度は効く可能性が大きいので、依然として優先的な対策になるはずだと主張している。マスクを着用し、密集を避け、部屋は換気を心掛けて手を洗う、という行動は誰もが必要になる。
カリフォルニア州ラホヤにあるスクリプス・リサーチ・トランスレーショナル研究所のエリック・トポル所長は「われわれはいかなる変異株にも有効な全ての手段を持っている」と述べた。
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