最新記事

メディア

米中、双方のジャーナリストに対する制限措置緩和で合意

2021年11月17日(水)10時21分
北京の米大使館

米国と中国が互いのジャーナリストに対する制限措置を緩和する方針で合意したと、チャイナ・デーリーが16日、中国外務省筋の情報として報じた。2011年5月、北京の米大使館前で撮影(2021年 ロイター/David Gray)

米国と中国が互いのジャーナリストに対する制限措置を緩和する方針で合意した。中国国営メディアと米国務省が16日にそれぞれ報道・発表した。

国営英字紙チャイナ・デーリーが中国外務省筋の情報として報じたところによると、ジャーナリストビザ(査証)などに関する合意は中国の習近平国家主席とバイデン米大統領とのオンライン会談前に達したという。

昨年は通商や人権などを巡る米中両国の対立がメディア分野にも波及。米国が主要な中国国営メディアの米国オフィスで勤務できる中国人数を減らし、滞在可能期間を90日間(延長オプション付き)に制限したことを受け、中国政府は中国人記者に対する「政治的締め付け」だと非難していた。

これに対し、中国も複数の米国紙から米国人記者を追放したほか、一部の米メディア企業に対する新たなビザ制限を導入した。

チャイナ・デーリーによると、新たな合意の下、米国は中国人記者に対し、複数回入国を可能とする1年間有効のビザを発行する。中国側も米国人記者に対し同様の待遇を与える必要がある。ビザ保有のジャーナリストは、双方の新型コロナウイルス渡航規制に基づき、自由に両国を出入国できるようになる。

国務省報道官も、中国が同国内に滞在している米国人ジャーナリストに出国と帰国の自由を認めたとし、米国も中国人ジャーナリストに同様の待遇を提供する予定だと説明した。

報道官は「われわれは今回の進展を歓迎するが、単に最初のステップだと見なしている」とした上で、「中国のメディア環境はここ数年で著しく悪化している」と付け加えた。

中国外務省からは今のところコメントを得られていない。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ECBの金融政策、「漸進主義」が奏功=レーン理事

ビジネス

ECB、段階的な利下げを 慎重姿勢維持必要=独連銀

ワールド

NY南部連邦地検トップが辞任へ、FTX関連など著名

ワールド

G7、共通の見解模索 ネタニヤフ氏逮捕状発行で=伊
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 7
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 8
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 9
    またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解け…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中