運動嫌いの記者がマラソンランナーに変身──運動を「快感」に変える禁断の?大麻効果
Weed Helped Man Who Hated Exercise Become Ultra-Marathon Runner
──つまり、大麻は運動能力の向上薬なのか?
その質問には、通常はイエスと答えているが、「運動能力向上」という言葉は一般に知られている意味とはちょっと違う。なぜなら、「運動能力向上薬」といえば、私たちはステロイドを思い浮かべることが多い。
ステロイドが禁止されている理由は、身体に有害であるばかりか、使用していない選手に対して不公平になるからだ。同じ身体能力で、同じ訓練をこなしている2人の選手のうち1人がステロイドを使用して、もう1人は使用しないとしたら、使用した選手の能力がもう1人を上回るようになる。
大麻の場合はそうはならない。大麻はいろいろな意味で選手の助けになるが、人の自然な限界、遺伝的限界を超えた能力をもたらすことはない。
だが大麻を使えば、トレーニング量を楽に増やすことができるし、回復も速くなる。そして、何かをやりたい場合、もっと頻繁に、もっと元気に楽しむことを可能にしてくれる。
研究によれば、楽しみながら現在に集中した状態で、運動やその他の活動を行っているとき、さまざまな脳の領域が活性化されることがわかった。それによって心と体のつながりが強くなり、筋肉の働きの協調性が改善する。回復についても、カンナビオイドの一種であるCBD(カンナビジオール)には睡眠の向上と筋肉の痙攣を軽減する作用がある。
──最後に伝えたいことは?
この本で伝えたいことで最も重要なのは、心の状態を変えることができれば、運動の意味が変わることだ。やらなくてはならないから仕方なくやるものではなく、遊びのように楽しく、快楽をもたらす活動と捉えられるようになる。
それは、楽しむべきものだ。私たちには、セックスや食べ物、睡眠と同じくらい、運動を楽しむための内なるメカニズムが備わっている。
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