最新記事

米選挙

行動力も人柄も鉄板のニュージャージー州知事が危うく負けそうになった衝撃

Phil Murphy Survives Close NJ Governor Vote

2021年11月4日(木)19時50分
ジョン・ジャクソン
バイデンとマーフィー知事

今年9月豪雨被害を視察に来たバイデンを迎えるマーフィー知事(右) Elizabeth Frantz-REUTERS

<ニュージャージー州知事選では民主党現職が僅差で勝ったが、有権者はバイデン政権に厳しい評価を突きつけた>

11月2日に行われたニュージャージー州知事選では、民主党の現職フィル・マーフィーが大接戦を制して共和党のジャック・チャッタレリ候補を下した。

ニュージャージー州知事選で民主党の現職が再選されるのは、1977年にブレンダン・バーンが再選を果たして以来44年ぶり。

とはいえマーフィー(64)は薄氷の勝利だった。AP通信が当選確実を伝えたのは東部時間の3日午後6時30分。それまで開票からまる1日近く、結果が読めない接戦が続いた。

11月2日には各地で選挙が実施され、2022年の中間選挙をにらんでその結果が注目されたが、総じて有権者は民主党に厳しい評価を突きつけたと言っていい。とりわけ焦点のバージニア州知事選では共和党候補が勝利をもぎとった。

<関連記事>バージニア州知事選の共和党逆転勝利はトランプ復活の予兆?

あえてトランプ色を消す

ニュージャージー州は登録有権者数で民主党が共和党を100万人超も上回る「青い州」だ。にもかかわらず、近年の州知事選では、2期を務めたクリスティーン・ホワイトマンとクリス・クリスティーら共和党の候補が勝つことが多かった。

選挙戦中マーフィー陣営は、チャッタレリ候補(59)とドナルド・トランプ前大統領との結びつきを主要な攻撃材料にした。だがニュージャージー州ではジョー・バイデン大統領の支持率急落に歯止めがかからない状況で、この戦略に効果があったかは疑わしい。

チャッタレリはトランプに距離を置こうともしなかったが、ことさらトランプとの親密さをアピールもしなかった。2020年の大統領選ではトランプを支持したため親トランプ派とみられているものの、今回は遊説でトランプの名前を出すことをおおむね避けていた。

10月に行われたテレビ討論会でトランプについて聞かれた際には、「これは私が立候補した、私の選挙だ。自分の力で勝つ」と啖呵を切った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中韓、米関税への共同対応で合意 中国国営メディア

ワールド

米を不公平に扱った国、関税を予期すべき=ホワイトハ

ワールド

トランプ氏、5月中旬にサウジ訪問を計画 初外遊=関

ワールド

ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中