中国元高官告発で消息絶ったテニス選手から「私は無事」メール──信じるのはIOCだけ?
Olympic Committee Believes Peng Shuai is 'Safe,' WTA Demands Answers
投稿はすぐに削除されたが、この衝撃の告発文のスクリーンショットは、あっという間にインターネット上に広まった。この告発以降、彼女は消息不明となっており、身柄を拘束されているのではないかと危ぶむ声があがっていた。
張高麗は2018年に退職した後、公の場に姿を見せていない(中国政府の元高官は一般に退職後は公の場に姿を表すことはない)。現在の政府指導部との密接なつながりは確認されていない。
彭帥による今回の告発は、中国の大物政治家による性的暴行について行われた初めての告発だ。過去にも非営利組織や学術界、メディア界の著名人が告発された例はあったが、共産党の幹部や国営企業にまで及んだ例はなかった。
CGTNは問題のメールを中国ではアクセスが制限されたツイッター上で公開した。中国のソーシャルメディア上には投稿されておらず、メールの件は、中国のネット検閲システムであるグレートファイアウォールの内側では一切言及されていない。
不倫相手の妻がドアの見張り
だが中国の一部のインターネットユーザーは検閲を迂回し、このニュースをソーシャルメディア上の私的なグループ内で共有している。微博で閲覧制限された書き込みを読むことができる「Freeweibo.com」によれば、「彭帥」と「張高麗」は、17日に最も検索件数が多かったトピックのトップ10に入った。
これに対し、中国の検索サイト「捜狗」で彭帥の名前を検索すると、彼女のテニス選手としてのキャリアに関する記事のみがヒットする。彼女の微博のアカウントは、現在はコメントの書き込みができないようになっており、人々が彼女の微博のアカウントを検索しても、該当するアカウントはないという結果が表示されるようになっている。
彭帥は以前の投稿の中で、張高麗とテニスをした後に彼から性的暴行を受けたと述べ、その間、彼の妻がドアの見張りをしていたと主張した。また張高麗と最初に性的関係を持ったのは7年前で、その後、彼に好意を寄せていたことを明かした。また(性的暴行について)告発するのは難しいことも分かっていたとも述べた。
「私自身の存在以外に、証拠は何もない。録音も録画もしていない。ただねじ曲げられた私の現実の経験があるだけだ。私は石にぶち当たる卵のように、あるいは火に飛びいる蛾のように、自滅する覚悟で、あなたとの間にあった真実を明かす」と彼女は削除された投稿の中で述べていた。