サッカー代表選手はワクチン拒否、ワクチンパスポート偽QRコード流通......ドイツ事情
デジタル・ワクチンパスポート Soeren Stache/REUTERS
<デジタルコロナワクチンパスポート用の偽のQRコードが流通し、摘発を受けた>
ドイツで、ワクチンパスポートアプリを有効にするための偽QRコードが流通していた件の捜査で22日、ミュンヘンの薬局と民間住宅で容疑者2人が逮捕された。捜査中に約100,000ユーロ相当の暗号通貨と現金が押収された。
23日、ニュルンベルクに本拠を置くZKG(医療システムにおける詐欺と腐敗との闘い)によると、同薬局の従業員は、8月中旬から共犯者と一緒にデジタルコロナワクチンパスポート用の偽のQRコードを何百も作成し、インターネットのドイツ語サイバー犯罪フォーラムで販売したと言われている。350ユーロで偽コードを入手すれば、ワクチンを受けていない人でもワクチンパスポートアプリを有効化することができる。10月だけでも、500以上の偽コードが発行されたと言われている。
ドイツでは通常、2回目のワクチンを受けるとその場でQRコードが発行され、アプリでスキャンすればその2週間後からパスポートが有効になる。現在、レストランやクラブなど多くの屋内施設で3G(geimpft ワクチン接種済み、genesen 回復済み、getestetテスト済み)または2G(ワクチン接種済みまたは回復済み)ポリシーが採用されている。偽コードは、何らかの理由でワクチンを受けていない人たちがパスポートを有効化し、これら屋内施設を利用する目的で販売されていたと思われる。
同従業員は薬局のITインフラストラクチャーを使用したと言われているが、薬局のオーナーである薬剤師は関連がないようだ。現在更なる共犯者の特定が進められている。
偽造パスポートを無効にできるかどうかは不明
ZKGによると、偽コードは他のEU諸国にも販売されており、ドイツではかなりの規模で出回っているという。ただ、偽コード購入者の名前を特定することはできず、偽造パスポートを無効にできるかは不明だ。
偽造パスポートと関連性があるかはわからないが、10月初めにベルリンのクラブで行われたパーティー参加者2,500名のうち少なくとも19名の感染が先週判明し、現在出席者リストや追跡アプリなどで2,500名全員の確認が行われている。パーティーは徹底した2Gルールのもとで行われ、全員がワクチン完全接種済みのはずだった。チェックも徹底していたなかでの発生で、感染経路も特定できていない。
成人の80%以上がワクチン完全接種済み
ロベルトコッホ研究所(RKI)によると10月現在、ドイツの成人(18歳以上)のほぼ80%が1回目、75%がすでに2回目を受けたとワクチンセンターから報告されているが、実際にはさらに多くの最大84%が少なくとも1回、最大80%が完全接種したと想定されている。連邦保健大臣のイェンツ・シュパーンもワクチン接種キャンペーンは予想以上に成功したと考えており、この秋冬は、マスクなどの衛生措置を徹底していれば、ロックダウンなしで乗り切れそうな気配だ。ただ、ドイツの感染者数は5月並みの水準に戻っている。