比大統領選有力候補ボンボン・マルコスに学歴詐称疑惑 オックスフォード大卒はフェイク?
こうしたボンボン・マルコス氏の主張に対して同協会関係者は「特別卒業証書はあくまで特別なもので、正規の卒業や学位取得を証明するものではない」として異論を唱えているのだ。
政治的な意図はないと協会
10月8日の立候補締め切りまでに届け出を済ませて正式に大統領候補となったボンボン・マルコス氏は、各種世論調査で常に高い支持と人気を維持している。
9月に民間の調査会社「パルスアジア」が行った「大統領に相応しい人物」では、ドゥテルテ大統領の長女、ミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長が20%でトップとなり、次いでボンボン・マルコス氏が15%と2位につけている。サラ市長はドゥテルテ大統領もかつて市長を務めたダバオ市を中心にした南部ミンダナオ島での支持は高いものの、ボンボン・マルコス氏は人口が集中するマニラ首都圏での支持は28%、マルコス前大統領の支持基盤でもある北イロコス州のあるルソン地方では20%といずれもサラ市長の支持を上回っている。
サラ市長が大統領選への立候補を見送りダバオ市長選で再選を目指しているという現状では、ボンボン・マルコス氏がもっとも次期大統領に近い存在といわれている。
こうした状況のなか、「学歴詐称疑惑」を指摘したオックスフォード・フィリピン協会は、決して政治的な意図に基づく公表ではないとしながらも「大統領に立候補している人物の過去の経歴は正確である必要があり、有権者に誤った情報を与えることは許されない」としてボンボン・マルコス氏への批判を強めている。
「暗黒時代」を知らない若者に人気
ボンボン・マルコス氏はフェイスブックのフォロワーが約304万人とネットを通じた政治活動で若者を中心に幅広い支持を集めている。
父親であるマルコス元大統領は、在職中に反政府勢力や共産主義勢力、反マルコスを唱える学生組織に対して1972年に戒厳令を発布、強権弾圧を繰り返した過去があり、いわゆる「暗黒時代」を記憶している年代の有権者には「マルコス一族に対する嫌悪」が依然として根強いとされる。