米西海岸の大規模火災、原因は放火だった?
米ABC系列の地元TV局KRCRは、女性が所持していたCO2カートリッジが第1出火地点に投棄されたものと一致したと報じている。
ある警察関係者は、放火犯は短時間に複数の地点に着火する傾向があると指摘する。女性が日中の石切場に次いで別の地点でも放火し、フォーン・ファイアを招いたとの見方が濃厚となっている。CBSサクラメントによると女性は身柄を警察に拘束され、重放火罪で起訴された。
汚染された水を飲もうと
女性は容疑を否認し、奇妙なことに、クマの尿混じりの水を飲もうとしていたと話している。地元紙レコード・サーチライトが入手した捜査資料によると、容疑者の女性はカルファイアの調査員に対し、カナダへ向けてハイキングをしている途中だったと語っている。
途中、喉の渇きを覚えて水を探したところ、干上がった小川のそばに水溜まりがあることに気づいたという。彼女はそれを熊の尿が混じった水だと考え、ティーバッグでろ過しようとしたもののうまくいかなかった。そこで水を沸騰させて殺菌するために火を起こそうとしたが、木々が湿っていて着火には至らなかったと述べている。結局のところ浄化を諦め、水をそのまま口にしたという。
その後山道を登りつづけていたところ煙が見え、飛行機がやってきて(消火剤とみられる)ピンク色のものを撒いたと女性は述べている。歩き続けたが茂みにはまって身動きが取れなくなり、カルファイア職員に助けを求める運びとなった。
Woman charged with starting California's Fawn Fire while trying to boil water
最大9年の実刑か
犯行当時カリフォルニア州では、多発する森林火災を受けた非常事態宣言が出されていた。状況を考慮し、通常よりも重い最大9年の実刑判決が下る可能性がある。シャスタ郡検察は、女性が前夜にも市内で別の火災を起こしたとみている。
ニューヨーク・ポスト紙は、女性はビジネス向けSNS「LinkedIn」のプロファイル上において、「シャーマン」を自称していると報じている。本人は裁判で無職だと述べ、米各メディアは元ヨガインストラクターとしての顔を取り上げている。過去には大学院の研究助手、製薬関連の研究機関、化学と生物学の個別指導教師などの経歴を持つ。
本件以外にも、ストレスや精神上の問題などによる放火は多い。カリフォルニア州だけで今年に入って100人以上が森林への放火容疑で逮捕されている。NBCは、山火事全体のおよそ10%が放火によるものだと報じている。放火によるものか否かは現地調査を行わないと断定できないため、実際には20%ほどの割合を占める可能性があると指摘する専門家もいる。
今夏は異常気象による山火事が多発したが、一部には人為的な火の手が混じっているようだ。