自民党総裁選挙は岸田氏が勝利 決選投票で河野氏破る
自民党総裁選は29日午後に投開票が行われ、決選投票の結果、岸田文雄前政調会長が河野太郎行革担当相を破り、第27代総裁に選出された。東京都で12日、代表撮影(2021年 ロイター)
自民党総裁選は29日午後に投開票が行われ、決選投票の結果、岸田文雄前政調会長が河野太郎行革担当相を破り、第27代総裁に選出された。10月4日に召集される臨時国会で、岸田氏が首相に選出される見通しだ。岸田氏は選出後に、挙党態勢で衆院選に臨む考えを示し、年末までに経済対策を策定する考えを示した。
総裁選は1回目の投票で河野氏、岸田氏、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行のいずれも過半数を得ることができず、1位の岸田氏と2位の河野氏による決選投票が行われた。
決選投票では、国会議員票と都道府県連票の合計で河野氏が計170票、岸田氏が計257票だった。
初回投票では、国会議員票、党員・党友票の合計で河野氏が計255票、岸田氏が計256票、高市氏が計188票、野田氏が計63票だった。
新総裁に選出された岸田氏は党役員・閣僚人事に着手する。岸田氏は「全員野球で自民党一丸となり衆院選、参院選に臨んでいこう」と国会議員に呼びかけた。衆議院議員の任期を10月21日に控え、次期総選挙は11月中にも行われる見通し。
岸田氏、安定求める参院議員などが支持
安倍晋三前首相の辞任に伴う昨年9月の総裁選では菅義偉官房長官(当時)を二階派が担ぎ、細田派、麻生派、竹下派もこれに続いて菅氏優位の流れができた。これに対して、今回は、当初無投票での再選を目指していた菅首相に対し、岸田氏が総裁選出馬を表明、菅氏が出馬を辞退したことで、4候補が乱立する混戦となった。
安倍氏が高市氏を、麻生太郎財務相が岸田氏を支持する一方、菅氏や森山裕国対委員長らが河野氏支持を表明。当初は出馬を模索していた石破茂元幹事長は出馬を断念し、河野氏支持に回った。
岸田氏は、当初から世論調査で人気の高い河野氏に初回投票では及ばないとの前提で、決選投票での高市氏との連携を模索。現実的な選挙戦術が多数の議員からの支持獲得につながったかたちだ。来年夏に選挙を控える参院議員の間では、河野氏と比較して地味ながらも、答弁の安定した岸田氏を求める声が多かった。
【決選投票結果】