アフガンの失敗は必然...アメリカは「国家の文明化」に成功したことがない
AMERICA’S HUBRIS
2021年9月29日(水)20時43分
アフガニスタンからの撤退に伴い、アメリカはついにリベラルの押し付けを放棄したようだ。これは世界的なパワーバランスの大きな変化を示している。冷戦後のアメリカは人権の尊重、民主的統治、自由市場経済といった「リベラルな価値観」に基づいて新しい世界秩序を構築することに着手した。そもそも非現実的であり、歴史に学んでいない目標だったが、当時はアメリカの覇権を脅かす勢力やモデルはなかった。それを変えたのが中国の台頭だ。
アフガニスタンにおけるアメリカの国造りは戦略的な失敗であり、戦術的な過ちではなかった。アメリカは腐敗した傀儡政権を通じて国家建設を試みるより、タリバンと早期に和解し、撤退すべきだったのだ。
タリバンの権力奪取と同時に逃げるように撤退したアメリカは、アフガニスタンへの影響力を失った。11年のウサマ・ビンラディン暗殺の時点でアメリカが勝利を宣言し、撤退していたら、かなりの影響力を維持できたはずだったが。
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