最新記事

欧州

ドイツ総選挙、中道左派の社民党がメルケル首相の保守連合を僅差でリード

2021年9月27日(月)08時46分
ドイツ総選挙の投票のようす

ドイツ連邦議会選挙(総選挙)が26日投開票された。ZDFテレビによると、中道左派の社会民主党(SPD)が得票率26.0%と、メルケル首相所属の保守連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の24.5%を上回り、かろうじて勝利する見通しだ。写真はベルリンで投票する有権者(2021年 ロイター/Fabrizio Bensch)

ドイツ連邦議会選挙(総選挙)が26日投開票された。ZDFテレビによると、中道左派の社会民主党(SPD)が得票率26.0%と、メルケル首相所属の保守連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の24.5%を上回り、かろうじて勝利する見通しだ。

ただ、双方とも自らが政権を主導する可能性があると主張している。

どちらの勢力も単独では過半数に届かず、過去4年間の「大連立」を繰り返すことに消極的であることを踏まえると、SPDかCDU・CSUが主導する3党連合となる可能性が最も高い。

新たな連立政権での合意には数カ月かかる可能性があり、緑の党、自由民主党(FDP)が関与する見通しだ。

SPDの次期首相候補であるショルツ財務相は選挙後の他候補とのラウンドテーブルで「われわれは現在、全ての調査でリードしている」と指摘。

2005年以来初めて政権を主導し、16年に及ぶメルケル首相による保守政権に終止符を打つよう国民から「明確な負託」を得たと述べた。

一方、CDU・CSUのラシェット党首は「第1党が常に首相を出してきたわけではない。全てのパートナーが関与し、首相だけではなく誰もが輝く政府を望む」と述べ、小規模政党にアピールする姿勢をうかがわせた。

今後の焦点は連立交渉となるが、協議は数カ月続く可能性がある。

ショルツ、ラシェット両氏はクリスマスまでの連立合意を目指す意向を示している。

2005年の首相就任以来、欧州の舞台で大きな存在感を示してきたメルケル氏は選挙後に引退する予定。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルのガザ支援措置、国連事務総長「効果ないか

ワールド

記録的豪雨のUAEドバイ、道路冠水で大渋滞 フライ

ワールド

インド下院総選挙の投票開始 モディ首相が3期目入り

ビジネス

ソニーとアポロ、米パラマウント共同買収へ協議=関係
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中