AUKUSは対中戦略に有効か?──原潜完成は2040年、自民党総裁候補の見解
そうでなくとも20年も経つうちにはオーストラリアの首相は何代も代わっているだろうし、国内世論もどうなっているか分からない。
何と言ってもオーストラリアは「反原発」の国なので、そもそも国民が受け入れるのか否かという側面もあり、2040年までの政権交代の中で廃案になる可能性さえある。
モリソン首相は選挙公約の中に原発の導入を含めようとしたが、有権者の間では反対派が根強く、野党労働党の選挙活動に利用されやすいと判断して、公約案から外したという経緯があるくらいだ。
中国のネットでは、この「完成は2040年!」というフレーズが驚きと喜びに満ちて飛び交い、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」が別のタイトルで報道したのだが、他のウェブサイトがそれを転載する際に「2040年」という言葉を入れたタイトルにして「お祭り騒ぎ」のような賑わいだ。
一つだけ取り上げると、たとえば「オーストラリアがいつ原子力潜水艦を手にすることが出来るかって、オーストラリア首相が:たぶん2040年までは待たないとだって」というトーンで、まるで「おふざけ」モードだ。
バイデンがAUKUSお披露目で「モリソン首相の名前を思い出せず...」
腹を抱えて笑いそうなのが、バイデン大統領が晴れのAUKUSお披露目式で、モリソン首相の名前を思い出すことが出来なかったというジョークのような場面だ。
その動画は<名前を忘れただって?バイデン、モリソンに「ほら、あの、オーストラリアのアイツさ...」>で観ることができる。
この動画は英文報道に数多くあり、たとえばThe Independentの"Joe Biden forgets Scott Morrison's name during Aukus announcement(ジョー・バイデン、Aukus発表時にスコット・モリソンの名前を忘れる)" などが、その一つだ。
日本では「中国が激怒した」と言わないと「ニュース」にならないとでも思っているのか、中国のネットが爆笑している現象を報じるメディアはない。
しかし、これが中国の実態である。
豪・EUの貿易協定は消えるだろうと喜ぶ中国
さらに9月20日の環球時報の電子版「環球網」は<米豪、フランスを "刺す"、豪・EU自由貿易協定崩壊か?>というタイトルで、オーストラリアとEUの間で3年間も協議されてきた自由貿易協定は水泡に帰すだろうと分析している。