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災害米北東部、ハリケーン「アイダ」の死者50人に ルイジアナはなお停電
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米国でハリケーン「アイダ」の影響が続いている。北東部では洪水による行方不明者の捜索が行われ、5日も死者が新たに確認された。写真は2日、ニューヨークのブロンクス地区で撮影(2021年 ロイター/Caitlin Ochs)
米国でハリケーン「アイダ」の影響が続いている。北東部では洪水による行方不明者の捜索が行われ、5日も死者が新たに確認された。ルイジアナ州では上陸から1週間経っても約60万の住宅・企業が依然停電している。
アイダは8月29日、時速240キロの風速を維持し、「カテゴリー4」のハリケーンとしてルイジアナ州に上陸。同州では5日時点の死者数が少なくとも13人に増えた。
アイダはその後、北に進路を取る中で勢力が弱まったものの、東海岸で鉄砲水を引き起こし、最新の情報によると、少なくとも50人が死亡した。
ニューヨーク州のホークル知事によると、ニューヨーク市のセントラルパークでは1日、1時間に78ミリの記録的雨量を観測。滝のような水が企業や公共交通システム、住宅1200戸を襲い、被害額が5000万ドルを超えた。
知事は既にバイデン大統領から非常事態宣言の承認を受けており、仮設住宅や自宅再建の費用を賄う連邦資金に関する要請書類に5日署名した。
ニューヨーク州ではこれまでに17人の死者が確認された。内訳は4人がウェストチェスター郡、残りがニューヨーク市となっている。同市ではほぼ全ての犠牲者が違法な地階アパートに閉じ込められていたという。こうしたアパートは低所得層の住民にとって最後に残された手頃な住宅選択肢の一つとなっている。
ニュージャージー州ではこれまでに27人の死者が確認され、依然として4人が行方不明となっている。
このほか、コネチカット州では少なくとも1人、ペンシルベニア州では少なくとも4人、メリーランド州では少なくとも1人の死者がそれぞれ確認されている。
また、アイダは米メキシコ湾の石油生産にも打撃を与え、5日時点で原油生産の88%、天然ガス生産の83%が依然停止している。
石油ハブのフォーチョン港近くでは大規模な油膜が確認され、衛星画像からは、沿岸の海域に茶色っぽい黒色の油膜が広がっている様子が分かる。民間の潜水チームが流出元の特定を急いでいる。
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