最新記事

災害

ハリケーン「アイダ」で高速道路に割れ目、2人死亡 石油各社の被害確認進まず

2021年9月1日(水)10時59分
ハリケーン「アイダ」による被害を受けたルイジアナ州

米ルイジアナ州や近隣州の一部を停電させたハリケーン「アイダ」による豪雨の影響で、ミシシッピ州の高速道路には深い割れ目が発生し、2人が死亡、10人が負傷した。負傷者のうち3人が重体という。写真ははルイジアナ州で撮影(2021年 ロイター/Marco Bello)

米ルイジアナ州や近隣州の一部を停電させたハリケーン「アイダ」による豪雨の影響で、ミシシッピ州の高速道路には深い割れ目が発生し、2人が死亡、10人が負傷した。負傷者のうち3人が重体という。

割れ目は長さ15メートル、深さ6メートルにおよび7台の車両が落ちたという。

米メキシコ湾岸を襲ったアイダはミシシッピ州でも猛威を奮い、一晩中、大雨に見舞われた。その後、勢力を弱め、熱帯低気圧となった。

ルイジアナ州では少なくとも2人が死亡。ニューオーリンズ周辺の浸水地域では救助活動が行われた。

米国内の停電状況を追跡するパワーアウテージによると、31日未明時点の停電軒数は約130万軒。電力大手の米エンタジーによると、最も被害が大きかった地域では電気が復旧するまでに数週間かかる可能性があるという。

さらにルイジアナ州とミシシッピ州の一部では、31日の気温が40.6度に達すると見込まれ、熱中症注意報が発令された。

こうした中、広範囲にわたる洪水と停電を受け、エネルギー企業による被害状況の確認作業が遅れている。アナリストによると、ルイジアナ州の精油所の完全な生産再開には2─3週間かかる見通しだ。

米製油会社フィリップス66の広報担当者は、堤防決壊に伴って水没したルイジアナ州の製油所の被害調査をまだ開始していないと述べた。

米安全環境執行局(BSEE)によると、メキシコ湾岸の石油生産の95%、ガス生産の94%が停止したままとなっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・あなたは豪雨災害がなぜ起こるかを分かっていない 命を守るため「流域」を確認せよ
・中国・四川省で豪雨、住民2万1000人が避難 全土に警報
・洪水でクモ大量出現、世界で最も危険な殺人グモも:シドニー


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トヨタ、23年度は世界販売・生産が過去最高 HV好

ビジネス

EVポールスター、中国以外で生産加速 EU・中国の

ワールド

東南アジア4カ国からの太陽光パネルに米の関税発動要

ビジネス

午前の日経平均は反落、一時700円超安 前日の上げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中