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日本政治菅首相、就任1年で退陣へ コロナ感染歯止めかからず支持率低迷
菅義偉首相(写真)は、自民党の総裁選挙に立候補しないことを表明した。写真は7月都内での代表撮影(2021年/ロイター)
菅義偉首相は3日、自民党の総裁選挙に立候補しないことを表明した。デジタル化や環境対策の推進を掲げてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、衆議院選挙前に党内で総裁交代論が強まる中、就任から1年で退陣することとなった。
菅首相は3日午後に官邸で会見し、「先ほど開かれた自民党役員会で、新型コロナ対策に専任したいという思いの中で、自民党総裁選には出馬しないと申し上げた」と語った。膨大なエネルギーが必要なコロナ対策と選挙活動の両立はできないとし、「感染拡大を防止するため(コロナ対策に)専任したいという判断をした」と述べた。
役員会に出席した複数の党幹部によると、菅氏は9月末の任期満了までは職務を続ける。6日に予定していた党役員と内閣の人事は実施しない。菅首相は3日の役員会と総務会で、人事について一任を取り付ける考えだった。
二階俊博幹事長は役員会後、記者団に対し「正直、びっくりしている」とした上で、「考えに考えた末に決断されたのだと思う」と述べた。不出馬の意向はこの日午前に菅首相から聞いたという。菅氏から後継指名の話は「ない」とした。
9月17日告示・29日投開票で行われる自民党総裁選は、予定どおり実施する。唯一出馬を表明している岸田文雄元政調会長は記者団に対し、まずは情報を確認したいとの考えを示した。出馬をいったん断念した下村博文政調会長は、「改めて同志と相談する」と語った。
菅首相はかねてからコロナ対策を最優先に掲げつつも、総裁選に出馬する考えを繰り返し表明していた。しかし、報道各社の世論調査で内閣支持率は3割を切る水準に低迷。自民党が8月後半に実施した調査では、10月に任期満了を迎える衆議院の選挙で40─70議席減るとの予測が出た。若手・中堅議員を中心に、衆院選で勝てる顔が必要だとして総裁交代を求める声が強まっていた。
ニュースで知ったという梶山弘志経済産業相は閣議後会見で、「大変残念だと思っている」とした上で、「空白がないようにしっかり行政はつないでいかなければならない」と語った。
菅首相の出馬断念の情報が伝わると、東京の株式相場は上昇して反応した。
*内容を追加しました。
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