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キューバ「カリブの春」が独裁を打倒するのに、決定的に欠いているもの

Cuban Revolution via the Web

2021年7月22日(木)15時28分
テッド・ヘンケン(ニューヨーク市立大学准教授)

まさしくトゥフェクチの言うとおり。キューバのような全体主義国家はインターネットの匿名性と遍在性を逆手に取り、国民に疑念を植え付け、ネットを通じた呼び掛けを阻止できる。

グーグルのエジプト法人で働きながらフェイスブックで反体制派のページを立ち上げ、2011年の「アラブの春」に火を付けたワエル・ゴニムは翌年に出した著書『革命2.0』で、SNSがエジプト民衆の蜂起に役立ったことを認めつつも、その後のプロセスで社会の二極化が進み、やがて独裁体制が戻った事実を踏まえ、SNSの利用には慎重になるべきだとしている。

実際、「社会の解放にはインターネットがあればいい」という当初の素朴な信念は完全な間違いだった。

SNSベースの運動は既存の何かを壊すには有効だが、民主主義のような体制を新たに築くには向かない。

7月11日にキューバ人が体制への恐怖を捨てて決起したことは特筆に値する。そこでインターネットが果たした役割も認められていい。だが、しかと肝に銘ずべきだ。社会の解放と国家の再建、そして自由の獲得と法治主義の実現には、もっと確固たるものが必要だと。

©2021 The Slate Group

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