大量のレース鳩がこつぜんと消えたミステリー
鳩レース専門の天気予報を交渉中
王立鳩レース協会(RPRA)のイアン・エバンス氏も、原因は「謎」だとしつつ、雷雨か太陽プラズマが地球の磁場を乱したからではないか、とテレグラフ紙に話している。現在45歳のエバンス氏は、9歳のときから鳩を飼っているが、今回のような経験はこれまで一度もなかったと振り返る。
とはいえ、前述のシンプソンさんは、自身が加盟しているレース鳩の連盟の仲間には、60年ほど前に類似の出来事を経験した人がいると、itvニュースに話している。しかしこのときも原因が解明されず、いまだに謎のままだという。
RPRAによると、鳩レースの成功は、気象状況に大きく左右される。そのため、鳩を放す地点や鳩が戻ってくるルートにあたる地域で悪天候が報告されている場合、天候が回復するまでレースの実施を見送ることも珍しくないとしている。
RPRAは過去に、鳩レース主催者の便宜を図るため、雨や視界のみならず、雲の高さや密度、気温などを含めた気象データを、英気象庁と協力して同協会の公式ホームページで配信すると発表していた。
しかし今回エバンス氏がテレグラフ紙に話したところによると、RPRAは現在、鳩レースに特化した天気予報を提供してくれるよう、再び気象庁と交渉中だという。通常とは異なる気象状況が予測される場合、レースを中止することもできる。これが可能になれば、大量の鳩が行方不明になってしまった今回のような事態を防ぐことができる、とエバンス氏は話している。