最新記事

災害

ドイツ西部の洪水、死者160人超 当局の対策不十分との批判も

2021年7月20日(火)10時22分
独バートミュンスターアイフェルの洪水被災地

ドイツで先週発生した大規模な洪水による死者は、160人を超えた。独バートミュンスターアイフェルの被災地で撮影(2021年 ロイター/Wolfgang Rattay)

イツで先週発生した大規模な洪水による死者は、160人を超えた。事前の対策が不十分だったとの批判が出る中、当局は警報システムは機能していたと主張している。

欧州西部では14日から発生した大規模洪水により、ドイツ西部のラインラント・プファルツ州やベルギーの一部地域で深刻な被害が出ている。復旧作業が続いているが、警察は、死者数がさらに増える可能性があるとの見方を示している。

野党からは、死者数の多さは国内の洪水対策に重大な欠陥があったことを示しているとの批判が出ている。

一方、ゼーホーファー内相は19日、気象当局が国内16州に警報を出し、そこから地域レベルで対応を決定すると説明。「このような災害をどこか1カ所で集中管理することは考えられない」と述べた。

専門家が気候変動の影響を指摘している今回の洪水被害は、これまで気候変動対策に関する議論がほとんどなかった9月のドイツ連邦議会選挙の結果に影響を及ぼす可能性がある。

シュピーゲル誌の世論調査によると、与党の首相候補ラシェット氏の危機対応を評価した人は全体の26%にとどまった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・あなたは豪雨災害がなぜ起こるかを分かっていない 命を守るため「流域」を確認せよ
・中国・四川省で豪雨、住民2万1000人が避難 全土に警報
・洪水でクモ大量出現、世界で最も危険な殺人グモも:シドニー


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

昨年の訪日外国人は最多の約3687万人、消費額も過

ワールド

韓国大統領、取り調べで沈黙守る 録画も拒否=捜査当

ワールド

英CPI、12月は予想外に伸び鈍化 コア・サービス

ワールド

インドネシア中銀、0.25%利下げ 成長支援へ予想
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン」がSNSで大反響...ヘンリー王子の「大惨敗ぶり」が際立つ結果に
  • 4
    「日本は中国より悪」──米クリフス、同業とUSスチ…
  • 5
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローン…
  • 6
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 7
    日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で…
  • 8
    TikTokに代わりアメリカで1位に躍り出たアプリ「レ…
  • 9
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 10
    ロシア軍高官の車を、ウクライナ自爆ドローンが急襲.…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 6
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 7
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 8
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 9
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 10
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中