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災害中国河南省「1000年に1度」の豪雨 25人死亡、約10万人避難
中国中部・河南省で続く豪雨により、省都の鄭州市で12人が死亡した。また、約10万人が安全地帯に避難している。20日、同省鄭州市で撮影(2021年 ロイター/cnsphoto via REUTERS)
中国中部・河南省で豪雨により発生した水害で、同省でこれまでに少なくとも25人の死亡が確認された。このうち12人が省都の鄭州市の地下鉄構内で死亡。一段の降雨が予想される中、鄭州市では約10万人が避難している。国営の新華社が21日、地方政府の情報として伝えた。
同省は先週末から豪雨に見舞われており、主要河川の堤防が決壊したほか、十数都市で道路が冠水。多くの高速道路が閉鎖された。鉄道も多くが運行を停止し、航空便には遅延や欠航が発生するなど数百万人の生活に影響が出ている。
地元メディアによると、鄭州に隣接する鞏義市でも少なくとも4人が死亡した。大雨により建物の倒壊が相次いでいる。
地元当局は20日夜、同省洛陽市にあるダムに20メートルの亀裂が生じ、決壊寸前だと警告した。
一方、鄭州市の洪水対策本部は、市内の貯水池が決壊したと明らかにした。
鄭州市では地下鉄の構内が水に浸かり12人が死亡、500人以上が救助された。ソーシャルメディアに投稿された映像には、乗客が暗闇の中で胸の高さまで迫った水に浸かっている様子が映っている。
今後3日間、河南省全域でさらなる雨が予想されており、人民解放軍は5700人以上を派遣して捜索や救助活動に当たっている。
黄河の流域に位置する鄭州では17日夕方から20日夜までの降水量が617.1ミリに達した。これは同市の平均年間雨量640.8ミリにほぼ匹敵する。地元メディアは、この3日間の雨量が「1000年に1度」のレベルだったとする気象学者のコメントを伝えた。
米国やカナダが最近熱波に見舞われる一方で、欧州西部では大洪水が発生した。専門家は中国の大雨も地球温暖化に関係していることがほぼ間違いないと指摘する。
香港城市大学のジョニー・チャン教授(大気科学)は「これらの共通点は明らかに地球温暖化だ。こうした異常気象は将来、もっと頻繁に起きるだろう」と予想。政府や自治体が適応するための戦略をまとめる必要があると述べた。
<洪水対策は困難>
中国の習近平国家主席は21日、国営テレビを通じて発表した声明で「洪水を防止する取り組みは非常に困難になっている」と指摘した。
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は鄭州工場で米アップルのiPhoneの組み立てを行っているが、施設への直接的な影響はないと述べた。
中国の自動車大手、上海汽車(SAIC)は鄭州工場の物流に短期的な影響があると説明した。日産自動車は生産を停止したと明らかにした。
国営メディアによると、鄭州は21日時点で依然として交通がまひしており、学校や病院も深刻な浸水の被害を受けている。火曜日から幼稚園に閉じ込められている子供たちもいるという。
人民日報は病床数が7000を超える市内の大規模病院で電力が失われ、予備電源も機能していないと報じた。
気象当局によると、豪雨は21日夜まで続く見通しという。
隣接する河北省では21日以降、中程度から激しい降雨が予想されているため、同省は省都の石家荘市を含む複数の都市で警報を発令した。
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