子供部屋のおもちゃカゴに本物の毒ヘビ なぜそこに?
オーストラリアで最も頻繁に遭遇するというアカハラクロヘビ(写真はイメージです) Ken Griffiths-iStock
<赤い腹をした大きなヘビの意外な性格>
豪クイーンズランド州サンシャインコーストの民家で背筋が凍るような映像が撮影された。
2人の幼い娘と子供部屋にいた母親がカゴに入ったおもちゃを取り出そうとしたときに、赤い腹をした大きな黒ヘビが動いているのを見つけたという。
動画は、 ヘビの捕獲サービスを専門とする業者「サンシャイン・コースト・スネーク・キャッチャーズ24/7」の男性マッケンジーがヘビを捕獲する様子を捉えたものだ。
マッケンジーはフェイスブックへの投稿で「到着してこの状況を見たときはゾッとした」と振り返っている。
このヘビはオーストラリア東部に生息するアカハラクロヘビ(学名:Pseudechis porphyriacus)だ。都市部でも見られ、毎年多くの咬傷被害が報告されている。
噛まれた箇所の出血や腫れのほか、吐き気、頭痛、下痢・腹痛、発汗といった症状を引き起こすこともある。
オーストラリアン・ジオグラフィック誌によると、噛まれた場合は治療が必要になるものの、オーストラリアに生息するほかのヘビと比べれば毒は弱いという。ビクトリア州の資料によれば、このヘビによる死亡例は確認されていない。
しかし、なかには入院を必要とする例もある。体の小さな子供やペットにとっては、特に危険な存在だ。
「誰も噛まれずに済んだのは本当に幸運だった」と捕獲したマッケンジーは胸を撫で下ろす。
いったいなぜ、アカハラクロヘビは民家の小さなおもちゃカゴの底に身を隠していたのか。
マッケンジーいわく、このヘビはシャイな性格で、刺激しなければ危害を加えられることはないという。
「とても落ち着いていて、行儀が良い。近くで工事が行われていたため、安全な隠れ場を探していたのだろう」
動画の最後には、この警戒心の強いヘビが男性の力を借りて茂みへと戻っていく様子も収められている。