中国の原発で放射線漏れの疑い チェルノブイリを彷彿とさせる透明性の欠如
China's Nuclear Leak Denial Evokes Chernobyl as Plant Insists It's Safe
CGNは13日、危険な放射線漏れの指摘について「真実ではない」と述べ、2基の原子炉は安全要件を満たしており、正常に稼働していると主張した。
CGNは13日にウェブサイトで声明を発表。台山原発では加圧水型原子炉を2基運転しており、第2原子炉は大規模な点検を経て6月10日から運転を再開し正常に機能していると説明。「2基の原子炉の運転データはいずれも、原子力安全規則と技術面の要件を満たしている」と述べた。
またCGNは、施設の内部でも周辺でも、異常な放射線量は検知されていないと主張。「定期監視データは、台山発電所とその周辺環境、両方の環境指標が正常範囲にあることを示している」と声明で述べた。
一連の報道は、チェルノブイリ事故を彷彿とさせる不穏なものだ。1986年にチェルノブイリ原子力発電所で起きた事故の際、ソ連の当局は事故現場の放射線量に問題はないと一蹴。周辺住民に避難通知が出されたのは、事故発生から1日半が経過した後だった。国連は、この事故が原因で死亡した人の数を50人以下と推定しているが、その後、放射線被ばくが原因で何千人もの人々が命を落とした。
G7との緊張が高まっていた
台山原発に関する疑惑が明らかになったのと同時期に、イギリスのコーンウォールでは主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催され、緊張が高まっていた。
中国はG7の一員ではなく、主要20カ国・地域(G20)の一員だ。在英中国大使館は13日、「世界的な決定事項」を「少数の国が決める時代はとっくに終わっている」と主張した。
G7は13日に採択した共同宣言の中で、中国を名指しで批判。中国は人権を尊重し、中国国内における新型コロナウイルスの起源について、「適切なタイミングで、透明性のある、専門家主導で科学に基づく」調査を実施する必要があると述べた。
声明はさらに「我々は農業、太陽光および衣類部門などのグローバルなサプライチェーンにおいて、国家により行われる、脆弱なグローバルおよび少数派の強制労働を含む、あらゆる形態の強制労働の利用について懸念する」と述べた。
声明は香港の問題にも言及。「我々は中国に対して、特に新疆との関係における人権および基本的自由の尊重、また英中共同声明および香港基本法に明記された香港における人権、自由および高度の自治の尊重を求めることなどにより、我々の価値を促進していく」とした。