三人っ子政策に中国国民の反応は冷ややか 「二人目さえ欲しくない」理由
China’s Three-Child Policy Won’t Work
戸籍を持たない子供たち
最後の3点目として、政府の方針に逆らって生まれた子供と家族に対する倫理的な課題がある。
一人っ子政策が取られていた頃は、2人目以降の子供については出生届を出さないケースが多かった。そうした子供たちは戸籍を持たない「黒孩子(ヘイハイツ)」(闇っ子)と呼ばれ、教育や医療を受ける権利を与えられていない。政府は黒孩子に権利を認め、不公平な扱いを正すべきだ。
このように政策を修正したからといって、子供を持とうという家庭が増えるとは限らない。しかし、重要なのは数だけではない。生活の質の向上は、これまで社会制度の枠外に置かれてきた人々にとって特に大切だ。
一部の専門家は、新政策の下でも法に反して生まれた子供たちに確実な法的保護を与えるために、出生にまつわる全ての制限をなくすよう政府に要請している。その一方で政府当局者や研究者は、出生に関する制限の全面解除に難色を示している。以前のように、人口が制御できないほどに増加することを恐れているためだ。
だが、そんな懸念は明らかに無用だ。今の中国は、例えば1970年代とはあらゆる面で異なっている。教育水準が高く、専門の技術や資格を持つ中流層が存在する。この層は、2人以上の子供をあまり欲しがらない。
識字率の向上と、農村部における避妊手段の普及で、過剰な人口増加の可能性は大幅に減った。むしろ今の中国は、高齢化や労働人口の減少といった問題に直面している。
三人っ子政策に対する中国国民の見方は複雑だ。この問題についての中国政府の対応は、国民にどこまで寄り添えるかを占う大きな試金石になるかもしれない。
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