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人生の「成功」を左右する子ども時代の読書活動

2021年6月9日(水)10時15分
舞田敏彦(教育社会学者)

次に、自然体験とお手伝い体験を比べてみる。先ほどと同じく、小学校低学年の頃に「何度もある」と答えた者の割合だ。

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どの項目も高収入層の数値が最も高くなっている。「低収入層<中間<高収入層」というように、現在年収と直線的な相関だ。赤字は高収入層の数値が低収入層の倍以上の項目で、一番下の掃除の手伝い経験は、低収入層が12.9%、中間が17.4%、高収入層が26.4%と差が大きい。「体験が人を育てる」とはよく言ったものだ。稼いでいる人の子ども期は勉強三昧だったかと思いきや、データでみるとそうではない。

稼ぐ人の子ども期をデータで垣間見たが、勉強一辺倒ではなく、いろいろなことをしていたことが分かる。「手伝いなどしなくていいから勉強せよ」というのは誤りだろう。他者への共感のない勉強(ガリ勉)は、エゴの増幅にしかならない。そういう子は、高い確率で「高学歴ニート」になる。子どもの生活には「均衡」を持たせることが大切だ。

<資料:国立青少年教育振興機構『読書活動が及ぼす効果に関する調査』(2013年2月)

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