中国シノバックのワクチンで死者が95%減、あのブラジルで起こった「奇跡」
Brazilian City Sees COVID-19 Deaths Fall by 95% After Sinovac Vaccine Used
同様に、世界的なワクチンの利用可能性の拡大を推進するサビンワクチン研究所のデニース・ギャレット副所長は、この結果を「いい結果だし、とても励みになる」と評価した。
ただし、ベチーナもギャレットも、研究結果に関してまだ疑問はあり、結果を適切に分析するためにもっとデータが必要で、接種を受けたが免疫ができなかった人に関する情報もほしいと言う。
セハナ市での感染は減速したが、わずか20キロ西にある大都市リベイランプレトのような近隣の地域では、新型コロナウイルス感染が急拡大している。その主な原因は伝染性の強い変異株の増加だと言われている。
リベイランプレトの病院はコロナ患者で満床となっており、同市の市長は、公共交通機関の停止や市の住民70万人に対し食料品を購入する時間を制限するなど、厳格な隔離措置を課した。何カ月も前からワクチン接種を待っている人もいる。ほぼすべての店舗が閉鎖され、集中治療室の病床の95%がコロナ感染者で占められている。
コロナ病棟は空きだらけ
ほんの数カ月前、コロナ対策に苦慮していたのは、セハナも同じだった、とジョアン・アントニオ・マダロッソ・ジュニア博士は言う。2021年の最初の3カ月間は、患者1人が回復すると、重症者が2人入院するという状態だった。
「1月末に、このプロジェクトがセハナで行われると聞いた。そして少しずつ落ち着きを取り戻した」と、マダロッソは空き部屋だらけになっているコロナ患者専用病棟を指差した。「これを見れば、ここがリベイランプレトや、周辺の地域よりもはるかに落ち着いた状態にあることがわかる。ワクチンは治療法ではないが、コロナを軽いインフルエンザに変える解決策だ。そして人々は以前と同じく生活ができるようになる」
だからいって、セハナから完全にコロナウイルスを完全に追い出すことができたわけではない。一部の住民は、ワクチン接種を拒否した。2回目の接種をしなかったり、ワクチンの効果が完全なものになる前にウイルスに感染したケースもある。既往症のせいでワクチン接種ができない人もいた。
ブラジルのジャイル・ボルソナーロ大統領は、ワクチンの有効性に繰り返し疑問を投げかけてきた。昨年は、自分の政権は中国製ワクチンを買わないし、ブラジル人を「モルモット」にさせないと言った。ブラジルの保健省は今年1月、同国の保健規制当局がワクチンを承認した後に、5400万回分のワクチンを追加購入する契約に調印した。