最新記事

中東

イスラエル、ベネット新政権発足 歴代最長12年のネタニヤフ首相退陣

2021年6月14日(月)11時37分
イスラエルの右派政党「ヤミナ」のベネット党首(右)とネタニヤフ首相

イスラエル国会は、右派政党「ヤミナ」のベネット党首(右)が率いる連立政権を承認し、歴代最長の12年続いたネタニヤフ政権(左)に終止符が打たれた(2021年 ロイター/Ronen Zvulun)

イスラエル国会は13日、右派政党「ヤミナ」のベネット党首が率いる連立政権を承認し、歴代最長の12年続いたネタニヤフ政権に終止符が打たれた。

ただ、国会での投票は賛成60、反対59の僅差となり、左派から中道、右派、アラブ系政党まで幅広い勢力で構成し、ネタニヤフ氏の退陣以外に共通点の乏しい連立政権の危うさが浮き彫りになった。

ネタニヤフ氏は「下野する宿命なら、政権を打倒できるまで堂々とそうする」と述べ、「人々が考えるより早く」その時が来ると、早期の政権復帰に意欲を示した。

新政権は、パレスチナ政策など激しい議論を呼ぶ国際問題を棚上げし、国内の改革に注力する方針だ。

元国防相のベネット氏は、ヨルダン川西岸の一部併合を唱える。パレスチナでは、ベネット氏もネタニヤフ政権と同様に右派寄りの政策を模索するとの見方が強い。

ネタニヤフ氏は1996─99年と2009年以降に首相として政権を率いた。しかし、過去2年間に実施された4度の総選挙では勝利を収められず、汚職疑惑を巡る裁判も逆風となった。

新政権の連立合意では、23年に中道「イェシュアティド」のラピド党首がベネット氏に代わって首相に就く輪番制をとる。

バイデン米大統領はベネット、ラピド両氏と新内閣に祝意を示し、「両国の緊密で持続的」な関係の強化に向けてベネット氏と協力するのを心待ちにしていると述べた。

バイデン氏は声明で「米政権は、イスラエル人、パレスチナ人、地域の人々の安全保障と安定、平和を推し進めるため、イスラエル新政権と協力することに全面的にコミットしている」とした。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送FRB副議長が辞意、金融規制担当 次期政権との

ワールド

米議会、トランプ氏の大統領選勝利を認定

ビジネス

米製造業新規受注、11月は前月比0.4%減 航空機

ワールド

米、テンセントやCATLなどを中国軍との関連疑惑企
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻止を喜ぶ環境専門家たちの声
  • 2
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 3
    空腹も運転免許も恋愛も別々...結合双生児の姉妹が公開した「一般的ではない体の構造」動画が話題
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    ウクライナ水上ドローンが「史上初」の攻撃成功...海…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    ウクライナの「禁じ手」の行方は?
  • 9
    プーチンの後退は欧州の勝利にあらず
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 2
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 3
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に突き落とした「超危険生物」との大接近にネット震撼
  • 4
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 5
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 6
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 7
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡…
  • 8
    「これが育児のリアル」疲労困憊の新米ママが見せた…
  • 9
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 10
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中