進む自衛隊とミャンマー国軍の将官級交流 クーデター首謀者も3度来日、安倍首相と会談
2014年12月、第1回日本ミャンマー将官級交流が開催され、10人のミャンマー人将校(中将1名・少将4名・准将2名・大佐3名)が来日した。以後、将官級交流は2019年まで毎年、合計6回開催されている。2020年には開催されていないが、これは新型コロナウイルスの影響によるものと思われる。
2014年12月 第1回将官級交流 10名来日
2015年8月 第2回将官級交流 9名来日
2016年8月 第3回将官級交流 10名来日
2017年8月 第4回将官級交流 10名来日
2018年8月 第5回将官級交流 10名来日
2019年8月 第6回将官級交流 10名来日
2020年 未実施
将官級交流の目的は何か。日本財団のブログには以下のように書かれている。
「少数民族問題などを抱えるミャンマー国軍の上層部に先進民主主義国家の"軍"の在り方などを見てもらうのが狙いで、当面5年間実施の予定。自衛隊との交流のほか、ミャンマー側からは災害復旧や海洋安全保障分野の研修希望も寄せられている」
実際の将官級交流の内容は、日本財団のYouTubeを見て頂くのが手っ取り早いだろう。手短に言うと、日本各地の自衛隊基地、静岡県浜松市にある「ビルマゆかりの碑」、防衛大学校などを約2週間で見て回るプログラムである。ここで、「ビルマゆかりの碑」について説明しておきたい。太平洋戦争中、ビルマ独立義勇軍の創設に日本軍「南機関」の鈴木敬司大佐が関わったことはよく知られている。ビルマゆかりの碑は、鈴木大佐の地元の浜松市に旧日本軍有志によって1974年に建立された記念碑である。ミャンマー国軍メンバーにとっては来日時の必見スポットであり、ミンアウンライン国軍司令官も2014年9月に訪問している。
将官級交流のツアーは日本財団がアレンジを行い、行く先々で防衛省関係者が丁寧に説明を行った。そして、夜の懇親会は、日本ミャンマー協会の渡邊秀央会長の出番だ。もう一組の写真は、2017年に来日したミャンマー軍将官を、東京都内のホテルで開催された歓迎レセプションで激励する渡邉会長である。氏は「ミャンマーの民主化は革命ではなく、軍が自らの手で実現した。この点は正しく評価されなくてはならない」と述べた。(日本ミャンマー協会ホームページ)