最新記事

国際政治

G7外相会議「中国・ロシアが最大の脅威」 共同声明採択するも具体策はなく

2021年5月6日(木)08時55分
G7外相会合

G7外相会合は共同声明を採択し、中国、ロシア、新型コロナウイルスのパンデミックが現在の最大の脅威と指摘した。写真は5日、ロンドンで撮影(2021年 ロイター/Ben Stansall/Pool via REUTERS)

先進7カ国(G7)外相会合は5日、共同声明を採択し、中国、ロシア、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が現在の最大の脅威と指摘した。また台湾やウクライナへの支持を表明したが、具体的な措置に関する言及はなかった。

G7外相は声明で、中国に関し「われわれは恣意的かつ威圧的な経済政策や慣行に直面する中で、世界経済の耐性強化に向け共同で取り組んでいく」と指摘。その上で、台湾が世界保健機関(WHO)の年次総会や世界保健総会に参加することに支持を表明し、台湾海峡の「緊張激化につながり得る一方的な行動」にも懸念を示した。

ロシアについては、「ロシアの無責任で不安定な行動のネガティブなパターンが続いていることを深く懸念している」と言及。「これにはウクライナの国境や違法に併合したクリミアでのロシア軍の大規模な増強、他国の民主主義システムを損なうことを目的とした有害な活動、悪意のあるサイバー活動、偽情報の活用などが含まれる」とした。

新型コロナのパンデミックを巡っては「手頃な新型コロナワクチン、治療薬、診断薬およびその材料の製造拡大を促進するために製薬業界と協力することを確約する」と指摘。ただ、製薬大手の知的財産権を放棄することは要求せず、「企業間の提携を促進し、相互に合意した条件での自発的なライセンス供与や技術移転契約を奨励する」とした。

また、偽情報など民主主義への脅威に対抗するための迅速な対応メカニズムを拡大・強化することでも合意した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ

ビジネス

テスラの中国生産車、3月販売は前年比11.5%減 

ビジネス

訂正(発表者側の申し出)-ユニクロ、3月国内既存店

ワールド

ロシア、石油輸出施設の操業制限 ウクライナの攻撃で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中