菅の訪米直前、バイデンはここまで台湾に肩入れして見せた
China Threatening Regional Peace and Stability, Taiwan Tells Biden Envoys
「バイデン政権が繰り返し、台湾海峡の平和と安全の重要性に言及してくれていることに感謝している」と蔡は述べた。「中国はこのところ、台湾周辺に頻繁に艦船や軍用機を派遣して、作戦行動を展開している。インド太平洋地域の状況を様変わりさせ、地域の平和と安定を脅かす行為だ」
さらにこうも述べた。「国際社会に積極的に貢献する立場として、台湾はアメリカをはじめ同じような考えを持つ国々と協力して、インド太平洋の平和と安定を守り、(中国による)向こう見ずな作戦行動や挑発行為を阻止していきたいと考えている」
また中国の「認知戦」と偽情報に関しては、今後も台湾の「豊富な経験」を、アメリカをはじめとする各国と共有していきたいと述べた。
30年にわたって上院議員(コネチカット州選出)を務めた経験を持つドッドは、米台間のパートナーシップは「これまで以上に強固」だと述べ、バイデン政権は台湾にとって「頼りがいのある、信頼できる友人」になるだろうと蔡に語りかけた。「バイデン政権は、あなた方が国際社会での活躍の場を広げる手助けを行い、自衛に投資するのを支援すると確信している」
中国外務省「慎重に扱うべき問題」と不快感
アーミテージは、バイデンが自分たちを台湾に派遣したのは、中国を「苛立たせる」ためではないと主張。代表団が台湾に派遣されたのは、「皆さんが築きあげた、そしてあなたが現在率いているこの偉大な民主主義の継続を支持する」ためだと蔡に語った。
中国は米代表団が台湾に到着した日(14日)の朝に、4月15日から20日にかけて台湾南西部の沖合いで実弾発射を伴う軍事演習を実施すると発表して怒りを表した。
台湾国防部の張哲平副部長は、15日に開かれた議会の公聴会で、人民解放軍が台湾海峡の2つの海域で予定している6日間に及ぶこの軍事演習は、バイデン政権が台北に特使を派遣したことに対する直接的な反応だと指摘。また、国防部の邱国正部長が代表団と会談を行う予定だとも語った。
同日、中国外務省は記者会見の中で、「台湾の問題は、きわめて慎重に扱うべき性質」のものだと強調。趙立堅報道官は、アメリカが「台湾独立派に誤ったシグナルを送って」いると批判した。中国政府は台湾を「再統一」すると宣言しており、必要であれば武力行使もいとわない姿勢だ。
米代表団は台湾の全ての主要政党の議員らと会談を行うと報じられており、現地時間で16日早朝には台湾を発つ予定だ。