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核開発イラン、ウラン濃縮60%に引き上げをIAEAに通告 来週にも開始

イランは、中部ナタンズの核施設で濃縮ウランのレベルを60%に引き上げると国際原子力機関(IAEA)に通告した。ナタンズの核施設の航空写真。4月撮影。提供写真(2021年 ロイター/Maxar Technologies)
イランは13日、中部ナタンズの核施設で濃縮ウランのレベルを60%に引き上げると国際原子力機関(IAEA)に通告した。核兵器製造に必要な濃縮度90%にまた一歩近づくことになる。
イランのカゼム・ガリブアバディIAEA担当大使はツイッターへの投稿で、濃縮度60%のウラン生産を来週にも開始する予定だと明らかにした。
イランは12日、ナタンズの核施設で発生した異常事態がイスラエルによる攻撃と非難し、報復措置を取ると明言したばかり。
イランの核交渉を担当するアラグチ外務次官は、ナタンズのウラン濃縮施設に追加的に1000機の遠心分離機を導入すると表明。半国営ファルス通信は、イラン原子力庁(AEOI)のカマルバンディ報道官が「ナタンズで60%の濃縮を行う実質的な準備を今晩、開始する。濃縮度60%のウランは、さまざまな放射性医薬品の製造に利用される」と述べたと報じた。
その後、イラン当局者はロイターの取材に対し「濃縮度が60%に高められるのは小規模にとどまる」と明らかにした。
イラン核合意を巡る米国との間接協議は14日にウィーンで再開される見通し。米ホワイトハウスのサキ報道官は、イランの「挑発的な」発表を懸念していると述べた。
イランと主要国は先週、2015年の核合意復活に向けた協議を行い、「建設的」との見方を示していた。英国、フランス、ドイツが仲介役を務め、核合意への復帰を目指す米国とイランの間接協議も行われた。
イラン核合意の下での濃縮度の上限は3.67%。イランはここ数カ月で20%まで高めていた。

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