「顔コンドーム」「マスクばか」......ドイツで新型コロナから生まれた新語は1200語
同教授はまた、これまでも、大きな文化的シフトによってドイツ語の語彙に変化が起きたことは多くあったが、新型コロナに伴うもののように、わずか数カ月の間に起きたことではなかった、と加えた。
パンデミック前は、ドイツではマスクを付ける習慣はほとんどなかった。しかしパンデミックを受けて、公共交通機関や店舗内などでは感染防止策として医療用マスクの着用が義務付けられるなど、マスクに関しての生活様式も新型コロナで大きく変わった。
それを反映するかのように、マスクにまつわる新語も多い。鼻を隠さずにマスクをする人は、Maskentrottel(trottelはばか、まぬけなどを意味する単語で、「マスクばか」)。マスクそのものについては、Gesichtskondom(顔コンドーム)、Mundschutzmode(口を保護するファッション)、Behelfsmundnasenschutz(急ごしらえの鼻口保護)など様々な呼び方がある。
ライプニッツ協会のドイツ語研究所の研究者、クリスティン・メールス氏はガーディアンに対し、「名前がないものに対して、人は恐怖や不安を抱くこともある」と説明。しかしそれに名前が付き、他の人とそれについて話ができるようになると、恐怖心が和らぐという。つまり新語が多く生まれる背景には、新型コロナに対する不安や恐怖といった心理的な要素が大きいようだ。
ワシントン・ポストによると、今回まとめられた新単語1200語は、今後1〜2年ほど様子を見て、辞書に掲載するか否かが判断されることになる。