アトランタのアジア系女性ら銃撃、犯人の動機は人種でなく性依存症だった?
Atlanta Suspect Says Motive Not Race, But Sex Addiction.
事件が起きた3店舗のマッサージ店の1つ Chris Aluka Berry-REUTERS
<アジア系を狙ったヘイトクライムとみられたが、容疑者は人種的な動機ではないと供述>
米ジョージア州アトランタの3店舗のマッサージ店で3月16日に相次いで発生した銃撃事件は、アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)とみられていたが、警察の取り調べで容疑者が人種的な動機を否定していることが分かった。
容疑者はセックス依存症に悩んでおり、その「誘惑の場」を破壊しようとした可能性もあると、警察はみている。
警察は事件の数時間後、銃で8人を殺害した容疑で、ジョージア州ウッドストック在住の21歳のロバート・アーロン・ロングを逮捕した。ロングは抵抗しなかった。
事件で亡くなった8人のうち6人がアジア系の女性だったことから、アジア系を狙ったヘイトクライムとの見方が強まり、アジア系コミュニティーに衝撃が走った。
だが17日の記者会見で、捜査当局は現時点では犯行の動機は断定できないと発表した。
ジョージア州チェロキー郡のフランク・レイノルズ保安官は会見で、ロングは人種的な動機はなかったと供述しており、セックス依存症との関連が疑われると述べた。
「被疑者は何らかの問題、おそらくはセックス依存症を抱えていることをほのめかしており、過去に事件が起きた店のいずれかに足繁く通って散財していたのではないか、とわれわれは見ている」
容疑者のロングはバプテスト教会の熱心な信徒だった Crisp County Sheriff's Office
「信仰にのめり込んでいた」
会見に同席した保安官事務所の広報担当ジェイ・ベイカー警部は、ロングは「犯行を認めている」と語った。
「保安官が述べたように、動機を断定するのは時期尚早だが、被疑者は人種的な動機ではないと主張している。被疑者は自分が抱える問題をセックス依存症とみなし、マッサージ店は自分のような者が頻繁に通うことが許される場だと思っていたようだ。彼にとってマッサージ店は、自分が消し去りたい欲望を駆り立てる誘惑の場だったのだろう。現時点ではそれが動機だとは断言できないが、被疑者はそう供述している」
ロングはジョージア州ミルトンのクラブアップル・ファースト・バプテスト教会に通っており、高校時代の同級生の話では「信仰にのめり込んでいた」という。
銃撃事件後、同教会は公式ホームページとソーシャルメディアの公式アカウントを閉鎖。教会幹部が「全ての関係者に対し、断腸の思い」を抱いているとの声明を出した。