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人権問題中国・新疆の企業、強制労働疑惑を主張する米国研究者を提訴
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中国・新疆ウイグル自治区の共産党の公式ニュースサイトによると、同自治区の綿産業で強制労働が行われているとの報告書をまとめた人権問題の研究者が地元企業から民事提訴された。写真はカシュガルで2018年9月撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter)
中国・新疆ウイグル自治区の共産党の公式ニュースサイトによると、同自治区の綿産業で強制労働が行われているとの報告書をまとめた人権問題の研究者が地元企業から民事提訴された。
地元企業は損害賠償を求めているという。地元企業の名称や賠償請求額は不明。
提訴されたのは、米国を拠点に活動する人権問題の研究者エイドリアン・ゼンツ氏。
地元企業は、同氏の報告書は事実とは異なると主張。この報告書により同自治区の綿産業の評判が低下し、米国の綿製品輸入禁止で経済的損失を被ったと訴えている。
ロイターは訴状を確認できていない。
共産党の公式ニュースサイトによると、訴訟は同自治区の地元の裁判所に起こされたが、提訴した時期は不明。同自治区の政府のコメントは取れていない。
米国のトランプ前政権は昨年12月、新疆生産建設兵団(XPCC)が生産した綿製品の輸入を禁止。今年1月には同自治区で生産された綿とトマト関連製品全ての輸入を禁じると発表した。強制労働を理由に挙げたが、情報源は明らかにしていない。
XPCCのコメントは取れていない。
米国の非営利団体フリーダム・ハウスの中国担当リサーチディレクターは「(訴訟は)こうした深刻な人権侵害を調査する人々の負担を増やそうとする戦術のように見える」と述べた。
提訴されたゼンツ氏は米国の非営利組織、共産主義犠牲者記念財団のシニアフェロー。同財団は共産主義国の人権問題を調査しており、新疆ウイグル自治区やチベット自治区の民族政策を批判している。
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