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生命は落雷から誕生した? 放電がDNAの必須要素を生成:米英研究

2021年3月29日(月)17時00分
青葉やまと

NASA地質学者「説得力ある」

リンの起源を探ったのは、ヘス氏たちが初めてというわけではない。これまでに広く支持されているのは、地球外からの隕石によって運ばれてきたとする学説だ。シュライバーサイトは一部の隕石にも含まれる。ヘス氏ら研究チームも、隕石がリンを地球にもたらしたとする説を否定するものではないと述べている。落雷とあわせ、二重の供給源が確保されていた可能性は十分に考えられそうだ。

NASAの地質学者であるダナ・カシム氏は、第三者として両方の説を支持している。スミソニアン誌に対し、隕石説の重要性は変わらないと語りながらも、ヘス氏の落雷説は「説得力のあるシナリオ」だとの見解だ。

MITテクノロジー・レビュー誌は、ヘス氏の落雷説を強く支持している。理由として同誌は、「35億年から45億年前に生命が誕生したころ、隕石の衝突は指数関数的に減少していた」と指摘する。加えて同誌は、もし大量の隕石が降り注いでいたなら、後の世の恐竜絶滅のように生命に危機をもたらした可能性もある、との意見を披露している。

ヘス氏たちの説はさらに、地球以外の惑星にも応用できるという。氏は米CNNに対し、「私たちの発見は、雷が発生するような大気を持つ、あらゆる惑星に適用できると考えられます。相応の数の雷がその惑星で起きている限りにおいては、生命の出現に必要なリンの供給源が存在し得るということになります」と語り、地球外生命体の存在に可能性を残すものだとしている。

2006年にシカゴ郊外の裏庭を焦がした一本の閃光は、ヘス氏らのチームによる長年の努力の末に、生命誕生の謎を照らす新たな研究へと昇華した。

What Happens When Lightning Strikes Sand

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