北朝鮮の脅しに米北方軍司令官「米本土に届くミサイルは最大3基」「本土を守る能力はある」
Pentagon Responds to North Korea's Latest Threats
バイデン政権になって米朝関係は最悪に KCNA/via REUTERS ATTENTION EDITORS
<米朝関係が行き詰まるなか、北朝鮮はアメリカに強い警告を発した>
北朝鮮が米韓の合同軍事演習を「止めろ」とアメリカを脅したことを受けて、米北方軍および北米航空宇宙防衛司令部のグレン・バンハーク司令官は、米軍には引き続き「米本土を守る」用意があると述べた。
ジョー・バイデン米政権は、中国と北朝鮮に対抗するためアジアの同盟諸国との連携強化を目指しており、アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が3月15日からアジアを歴訪。日本および韓国の外交・防衛担当閣僚と会談を行っている。18日にはアラスカで米中の外交トップが会談を行う予定だ。
北朝鮮の最高指導者、金正恩の妹で側近の金与正は15日、アメリカをけん制。国営通信を通じて発表した声明の中で彼女は、「我が国土に火薬の臭いを放とうと躍起になっている米新政権に警告する」と述べ、こう続けた。「今後4年間、安心して眠りたいならば、最初の段階で騒ぎを起こさない方がいい」
CNNの報道によれば、米情報機関の当局者たちは、北朝鮮がバイデン政権の発足後初めてとなるミサイル発射実験の準備を進めている可能性があると考えている。北朝鮮はこの数カ月で複数の新型兵器を公開しており、アメリカや同盟諸国の標的を狙った攻撃能力を拡大しつつあるのではないかと懸念が高まっている。
一部ミサイルは米主要都市も射程圏内
バンハーク司令官は16日、記者団に対して、米北方軍および北米航空宇宙防衛司令部には「ならず者が保有する限られた数のミサイルから米本土を守る能力がある」と説明。各部隊は北朝鮮を「重点的にマーク」していると述べた上で、次のように語った。
「今後の最大の課題は、北朝鮮が2020年10月のパレードで公開した以上の攻撃能力に抵抗するために、十分な数の地上配備型迎撃システムを維持していくことだ」
バンハークは脅威の性質についての記者団からの質問に対して、詳細な説明は控えると述べ、こう続けた。「我々には常に、米本土を防衛するための計画がある。我々は常に、必要に応じて抑止または反撃するための能力に目を配っている」
また彼は、北朝鮮が現在「米本土を攻撃可能とみられるミサイルを最大3基」保有しているとの認識を示した。
北朝鮮は軍備を拡充しており、今ではアジア地域にある米関連施設だけでなく、米本土の標的にもその脅威が及んでいる。北朝鮮が保有する弾道ミサイル「火星15」は射程距離が約1万3000キロメートルに及び、アメリカの全ての主要都市が射程圏内に入っている。
「我々は常に米本土を守る能力を有しているし、言うまでもなく、我々には米本土を防衛する権利がある」とバンハークは述べ、こう続けた。「我々は日々、地上配備型の迎撃システムを通してそれに備えている」