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クーデターミャンマー治安部隊、デモ参加者100人超殺害、クーデター後最悪
ミャンマーの地元メディアや目撃情報によると、「国軍記念日」の式典が開かれた27日、治安部隊が各地で抗議デモの参加者に発砲し、複数の子供を含む114人が死亡。ヤンゴンの抗議デモ現場で撮影(2021年 ロイター)
ミャンマーの地元メディアや目撃情報によると、「国軍記念日」の式典が開かれた27日、治安部隊が各地で抗議デモの参加者に発砲し、複数の子供を含む114人が死亡。2月1日のクーデター発生以降、最悪の被害者を出した。
一方市民グループによると、軍用機が少数民族カレン族が自治を行う地域の村を空爆し、少なくとも2人が死亡した。反政府組織のカレン民族同盟はこれに先立ち、タイ国境に近い国軍の拠点を襲撃し、国軍中佐ら10人を殺害したと表明。近年比較的平穏だった同地域で緊張が高まっている。
クーデターで全権を掌握したミン・アウン・フライン総司令官は国軍記念日の演説に立ち、市民を守り、民主主義を目指すと強調した。
27日は、最大都市ヤンゴンのほか第2の都市マンダレーなどで、2月1日のクーデターや民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏の拘束に反発するデモ活動が行われた。
ニュースサイトの「ミャンマー・ナウ」によると、各地で治安部隊が抗議デモに発砲し、114人が死亡した。マンダレーでは、13歳の少女を含む少なくとも40人が、ヤンゴンでは少なくとも27人が死亡したという。中部サガイン地方でも13歳の子供が死亡した。
民主化勢力が結成した「連邦議会代表委員会(CRPH)」で広報を担う医師のササ氏は、オンライン形式のフォーラムで「きょうは国軍にとって恥ずべき日だ」と批判した。
国軍の広報担当者は、取材に応じなかった。
中部の町ミンジャンでは、デモ参加者少なくとも2人が死亡。住人の1人は、「(治安部隊は)まるで鳥やニワトリみたいに殺した。自宅で殺された人もいた」と語り、「それでも我々は抗議し続ける。軍政を倒すまで戦い続ける」と話した。
クーデター発生以降の死者は、27日で合計440人を超えたとみられる。
<西側諸国は批判、式典には露高官ら出席>
駐ミャンマーのトーマス・バジャ米大使はソーシャルメディア上で、「この流血は恐るべきものだ。ミャンマー国民の意思は明確に示されている。軍政を拒否するというものだ」と述べた。
ラーブ英首相は、非武装の市民や子供の殺害は事態を一段と悪化させたと批判。欧州連合(EU)の駐ミャンマー代表部は、27日は「恐怖と不名誉の日として永遠に刻まれる」と表明した。
軍事パレードの指揮を取ったフライン総司令官は演説の中で、選挙を実施すると改めて約束したが、具体的な日程には触れなかった。
総司令官は「国軍は全国民と協力して民主主義を守る」と表明。国軍は市民を保護し、平和を取り戻すとした上で「安定や安全を損なう暴力的な行為を通じて主張するやり方は適切ではない」と語った。
国軍側は、スー・チー氏と同氏が率いる政党・国民民主連盟(NLD)による「違法行為」があったため、国軍が全権を掌握するに至ったなどと説明している。スー・チー氏のほか、同党幹部の多くが拘束されている。
首都ネピドーで行われた国軍記念日の式典には、ロシアのフォミン国防次官が出席した。外交筋によると、式典にはロシア、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、ラオス、タイの8カ国の代表が出席したが、次官級が出席したのはロシアだけだった。
国営テレビは事前に、式典の妨害行為をすれば射殺されると警告していた。
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