大口投資家がビットコインの買い占めに走り、個人投資家には「サトシ」しか残らない?
As Institutions Gobble Up Bitcoins, Individual Investors Left with Satoshi
ソフトウェア企業のマイクロストラテジーは、長期投資戦略の一環としてビットコインの保有高を増やしたことを明らかにしており、フィンテック企業のスクエアも保有高を増やしている。
あるアナリストの推定によれば、電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOはビットコインへの投資で既に約10億ドルの利益を手にしており、このままいけば、テスラがビットコイン投資で得る利益は、2020年の同社の電気自動車売り上げを上回る見通しだ。
機関投資家向けのビットコイン投資ファンド「グレイスケール・ビットコイン・トラスト」は、投資家がビットコインの現物を保有せずに投資できる仕組みを提供している。シカゴ・マーカンタイル取引所も、ビットコインの価格情報を提供するよういになっている。資産運用大手のバンク・オブ・ニューヨーク・メロンは、大手機関投資家を対象にビットコインの資産管理サービスを開始すると発表した。いずれの動きも、ビットコインがウォール街で受け入れられつつあることを反映している。
ビットコイン取引の今後は
機関投資家がビットコインを長期保有するようになれば、通貨としての機能は失われるのだろうか。そうはならないだろう、とディーンは言う。
「ビットコインは元来、通貨として設計されたものだ」「確かに現在は、金のような長期的な『価値の保管場所』としてのビットコインに光が当たっている。だがクレジットカードや電子マネーでの取り扱いが始まれば、いずれ決済手段としてのビットコインの能力が発揮されてくるだろう。つまり『すぐに使える金』、『流動性のある金』になる」
ビットコインは前例のない通貨だ。「人類にとって、これほどまでに汎用性の高い通貨制度は初めてだ」と彼は述べた。
仮想通貨市場で大口投資家の重要性が高まれば個人投資家は締め出されるのではないか、という懸念をディーンは否定する。
「入手可能な量は減るかもしれないが、ビットコインの入手可能性は理論上、常に需要と供給の法則によって決まるはずだ」