最新記事

仮想通貨

米投資会社ブラックロックがビットコインに投資!金融界に激震か

BlackRock's Bitcoin Dabbling Could Mark Sea Change for Wall Street

2021年2月18日(木)14時50分
マシュー・インペリ

今やドル預金よりもビットコインの方が資産の有利な保管先? REUTERS/Dado Ruvic/Illustration

<人々はインフレにも債務膨張にも負けない投資先を探していると、資産運用最大手のCIOは投資の理由を語った。ビットコインがウォール街の主流になる日も近い?>

世界最大規模の資産運用会社ブラックロックのリック・リーダー債券運用グローバル最高投資責任者は2月17日、同社が仮想通貨ビットコインに「少々手を出し始めた」ことを明らかにした。ウォール街に大きな変化をもたらす可能性のある動きだ。

リーダーはCNBCの経済ニュース番組「スクワークボックス」の中で、次のように述べた。「人々は価値の保管場所を求めている。インフレ率が上昇し負債が膨らんでも、価値の上昇が見込める投資先を求めているのだ。だからビットコインを少し買ってみた」

この発言の直前、ビットコイン価格は初めて5万1000ドルを突破した。

リーダーは同番組の中で、このところビットコイン価格が高騰していることにも触れ、こう語った。「テクノロジーが進化し、規制も進化したことで、多くの人がビットコインをポートフォリオに組み込むべきだと考えるようになった。それがビットコイン価格を吊り上げているのだろう」

1月に米証券取引委員会に提出された書類によれば、ブラックロックが運用するファンドのうち2つが、ビットコイン先物を投資対象に追加している。

バフェットら大物投資家は批判

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの外部専門家で著名仮想通貨トレーダーのグレン・グッドマンは、リーダーの発言は、ビットコインがこれまで以上に「まともな資産」になったことを示していると指摘した。

「ビットコインは今やまっとうな資産であり、まともな投資対象だ。ビットコインに資金を注ぎ込んでも、誰にも馬鹿にされないようになった」とグッドマンは述べ、こう続けた。「ウォール街の金融機関や一般の企業にとって、これは大きな変化を意味する」

グッドマンはさらに、複数の著名投資家がビットコインを批判していることについても触れた。ウォーレン・バフェットはかつて、仮想通貨には「固有の価値がない」と批判。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者は以前、ビットコインについて「私の好みではない」と述べていた。

彼はまた本誌に対して、リーダーと同様の金融業界の名士の多くは、価値の保管先として適切な場所を見つけるのは「きわめて難しい」という考えを示していると説明。「伝統的な価値の保管先とは即ち、銀行にドル預金をしておくことた」と述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ビットコインが10万ドルに迫る、トランプ次期米政権

ビジネス

シタデル創業者グリフィン氏、少数株売却に前向き I

ワールド

米SEC委員長が来年1月に退任へ 功績評価の一方で

ワールド

北朝鮮の金総書記、核戦争を警告 米が緊張激化と非難
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中