最新記事

トランプ

「大統領の日」の集会に突如表れ、支持者を熱狂させたトランプ

Trump Surprises Supporters at Presidents Day Rally

2021年2月16日(火)16時54分
ジェニ・フィンク

大統領を退任し、ワシントンからフロリダに帰ってきたトランプを迎える支持者(1月20日) Carlos Barria-REUTERS

<2度目の弾劾裁判で無罪を勝ち取った2日後、トランプは大統領然として支持者たちの前に表れた>

アメリカの前大統領ドナルド・トランプは、「大統領の日」(2月第3月曜日)の祝日、米フロリダ州ウエストパームビーチで行われた支持者集会に姿を現した。

トランプが大統領選挙で敗北した後も、支持者の熱狂はほとんど冷めていない。退任後も影響力が残るしるしだ。2月13日、連邦議会襲撃事件をめぐるトランプの弾劾裁判で、上院は無罪評決を下した。その2日後、支持者たちはウエストパームビーチで集会を開催し、「アメリカで最も偉大な大統領」を祝った。

午後、支持者たちの前に突如、トランプを乗せた車列が表れた。トランプは窓越しに、熱狂する支持者たちに手を振った。

支持者のひとりタラはTV局WPECに対し、トランプの政治生命は終わったという考えを「100%否定」し、「始まったばかりだ」と述べた。支持者の心の中心には、「自由」への信念と、「自由の象徴たるトランプ」への支持がある、とタラは述べた。

ウエストパームビーチにはおよそ600人が集まったと、フロリダ州のテレビ局「WEAR ABC 3」は伝えた。トランプを支持する保守系メディア「ライト・サイド・ブロードキャスティング・ネットワーク(Right Side Broadcasting Network)」のユーチューブチャンネルでは集会が生配信され、視聴回数は110万回を数えた。

トランプ人気は健在だ。また、トランプが第3の政党を結成したら党員になってもいいと考える者は共和党支持者の約60%に上る。トランプの車列が人々の前を通り過ぎると、参加者たちは声をそろえて「USA」と繰り返し、ある参加者は「あれが私の大統領だ」と叫んだ。

弾劾裁判で「無罪放免」

とはいえ、フロリダ州に住む全員が、トランプが戻ってきたことを喜んでいるわけではない。トランプが別荘「マールアラーゴ」に住むのを阻止しようとする住民たちもいる。弾劾裁判中の2月12日には別荘上空に、「トランプを有罪に。刑務所に入れろ」と書かれたバナーが飛行機で飛んだ。

トランプは、ホワイトハウスを明け渡す際のビデオ演説で、運動は始まったばかりだと支持者に向けてメッセージを送り、退任式では「私たちはなんらかのかたちで戻ってくる」と言った。トランプは2024年大統領選への再出馬を目指しているとの観測も絶えない。弾劾裁判で無罪となった今、その可能性はまだ生きている。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場

ワールド

バンクーバーで祭りの群衆に車突っ込む、複数の死傷者

ワールド

イラン、米国との核協議継続へ 外相「極めて慎重」

ワールド

プーチン氏、ウクライナと前提条件なしで交渉の用意 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 8
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中