トランプ弁護団 弾劾訴追への反論書面がスペルミスだらけで注目を集める
Trump's Lawyers Misspell 'United States' Twice in Impeachment Trial Filing
弁護団に先立ち、2日朝には下院議員らが審判請求理由を記した書面を提出していた。
彼らは書面の中で「トランプ大統領は嘆かわしいことに就任の宣誓に背き、暴徒を煽って上下両院合同会議が行われていた連邦議会議事堂を襲撃させ、議会がジョー・バイデンを大統領選の勝者として承認するのを阻んだ」と主張した。
下院議員らはさらに、1月6日の事件についてトランプに責任があることは「間違えようのない事実」だとして、こう続けた。
「トランプ大統領は熱くなった支持者を、『死に物狂いで戦わなければ、国を失うことになる』と煽った。そして彼は『弱さをもって国を取り戻すことは決してできない。強さを示すべきだ』と宣言し、彼らを連邦議会議事堂に向かわせたのだ」
下院議員らは、1月6日の事件はトランプが「危険な状況をつくりあげ、自らそれに火をつけ、大惨事を通じて自身を有利な立場に導こうとしなければ起き得なかった」とも指摘した。
トランプは事件への責任を否定
また書面には、トランプは「暴徒を呼び集め、議会襲撃を煽った。その後に起こった全てのことの責任は彼にある。(トランプ)大統領なくして一連の事態は起きなかった。大統領は即座に、力強く介入して暴力を止めることもできたのに、そうしなかった」というリズ・チェイニー下院議員(共和党会議長)の言葉が引用された。
1月6日にトランプが支持者集会を開いた直後に起きた議会襲撃事件では、議会警察の警察官1人を含む5人が死亡した。
当時、議事堂内では議員たちがマイク・ペンス副大統領(当時)と共に、選挙結果の承認手続きを行っていたが、トランプ支持の暴徒たちが乱入して窓を割るなどの破壊行為に及んだため避難を余儀なくされた。
トランプは事件から何日も経ってからコメントを出し、(集会での)自分の発言は「完全に適切なものだった」ととして、一切の責任を否定した。
1月11日、下院民主党はトランプが大統領選の結果に異議を唱え、政府に対する暴力を煽ったとして、トランプに対する2度目の弾劾決議案を提出。同13日、下院は決議案を賛成多数で可決した。
決議案は「(トランプは)民主主義制度の整合性を脅かし、平和な権力の移行を妨げ、議会を危険にさらした」と指摘。「それによって彼は大統領としての信頼を裏切り、アメリカの国民に明白な損害を与えた」と断じた。