「大覚醒でトランプ続投」の予言が裏切られ、Qアノンは失意のどん底
QAnon Followers Express Disappointment on Social Media After Inauguration
テレグラム上では、バイデンの就任も最初から計画の一部だったのだという主張を展開しようと試みる者もいる。ある人物はQアノンのチャンネルに「考えれば考えるほど、バイデンこそが『計画を実行する人物』なのではないかと思えてくる」と書き込んだ。
複数の専門家は以前、本誌に対して、陰謀論の熱烈な支持者は決して諦めず、新たな状況に合わせて考え方を変えていく可能性が高いと指摘していた。マサチューセッツ大学アマースト校のイーサン・ザッカーマン准教授(公共政策、コミュニケーションおよび情報学)は、「バイデンが大統領に就任することでQアノンがいなくなることを願っているが、陰謀論とはそういうものではない」と語った。
ラトガーズ大学ジャーナリズムおよびメディア学部の准教授で『陰謀のパニック:政治的合理性と大衆文化』の著者であるジャック・Z・ブラティッチは、こう説明した。「陰謀論の根底にあるのは過激な精神的・宗教的な運動だ。予測が現実にならなかったとしても、論調を維持する方法は必ずある。Qが最初に投稿した予測(ヒラリー・クリントンが逮捕されるだろうという予測)だって外れている」
1月6日に連邦議会議事堂の乱入事件が発生したことから、首都ワシントンには厳戒態勢が敷かれ、20日のバイデン就任式典はとどこおりなく終了した。トランプは式典への出席を拒み、フロリダ州パームビーチにある別荘へと向かった。
バイデンは就任演説の中で、トランプの支持者に「私たちはアメリカ合衆国として(結束して)、この瞬間に立ち向かわなければならない。そうすれば、絶対に失敗しない」と語りかけ、こう続けた。「私を支持しなかった人々のためにも、支持してくれた人々のためにも、同じように懸命に闘うと約束する」