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アメリカ政治トランプ、バノン元首席戦略官ら140人以上に恩赦 自らには周囲の説得で適用せず
トランプ米大統領は20日の退任を前にスティーブ・バノン元首席戦略官(写真)に恩赦を与えた。写真はワシントンで2019年3月撮影(2021年 ロイター/Joshua Roberts)
トランプ米大統領は20日の退任を前に、スティーブ・バノン元首席戦略官など140人超に恩赦と減刑を与えた。政府高官によると、トランプ氏自身や家族、ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長には恩赦を与えていないという。
これまで、トランプ氏が自分や家族に恩赦を与えるとの観測もあったが、関係筋によると、恩赦を与えれば、かえってやましいことがあるのではないかとの憶測を呼ぶとして、ホワイトハウス高官らがやめるよう主張したという。
トランプ氏はすでに、フリン元大統領補佐官(国家安全保障担当)や長年の盟友であるロジャー・ストーン氏にも恩赦を与えている。今回は、選挙陣営の要人などの「身内」のほか、政権とほとんど関係のない人物にも強大な権限を使って恩赦を与えた。
バノン氏は、2016年大統領選でのトランプ氏勝利の立役者。トランプ氏が推進したメキシコとの国境の壁建設費用の名目で集めた資金を流用したとして詐欺罪で起訴された。バノン氏は罪を否定している。
このほか、銃の不法所持で有罪を認めたラッパーのリル・ウェイン被告、汚職などの罪で28年の禁固刑を受けたクワメ・キルパトリック元デトロイト市長、トランプ氏の元資金調達責任者で、昨年、外国勢力のためのロビー活動に関する法律違反を認めたエリオット・ブロイディ被告も恩赦の対象という。ウェイン被告は、昨年の大統領選前にトランプ氏の警察改革や黒人向け経済計画に支持を示していた。
昨年の大統領選の不正を主張する法廷闘争の最前線に立っていたジュリアーニ氏は訴追はされていないが、ウクライナ疑惑の関与で捜査対象となっている。
歴代の米大統領の多くが任期の終盤に恩赦を出している。恩赦は、犯した罪に対し刑が重すぎると考えられる者が対象になる。トランプ氏の場合は、大統領に就任した2017年の8月に初めて恩赦を発表、任期中に自分の支持者や側近など、いわゆる身内中心に70人に恩赦を与えていた。
*内容を追加しました。
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