韓国、「正義」のユーチューバーらが暴走 児童性犯罪者の出所トラブルで周辺住民は恐怖の日々
出所したチョ・ドゥスンを待っていたのは
そして、今年12年の刑期を終えたチョ・ドゥスンは12月12日に出所する運びとなった。出所するとはいえ、今後7年間GPS付き電子足輪の着用義務と、性犯罪者情報公開サイト「알림e」 に5年間の身元公開が義務付けられている。
当然のことながら、恐ろしい児童性犯罪者が出所することについて、世論は反対の声を上げ、2017年9月には、韓国大統領府のウェブサイトにある国民請願掲示板で「チョ・ドゥスン出所反対」の嘆願が上がり、なんと61万5千人もの国民が署名して話題を集めたほどだ。
しかし確定して既に執行中の刑期を変更できるわけもなく、チョ・ドゥスンは犯行から12年後となるこの12月12日未明、刑期を終えてソウル南部刑務所を出所、自宅のある安山市に戻ることとなった。
出所当日の12日、チョ・ドゥスンの乗った車が出てくると、多くの市民が車を取り囲み、ユーチューバーやその他動画配信者が生配信を始めた。一部の若者は車の上に乗り、飛び跳ね、またあるユーチューバーは車を足で蹴って壊そうとした。
アンサン警察署は20日、公務執行妨害及び共用物損壊疑いで拘束令状を申請したと明らかにした。さらに、警察は、チョ・ドゥスンに対して報復を予告し話題になった格闘技選手と、ユーチューバー2人も同じ疑いで調査した後、令状申請可否を決める方針であるという。
また、チョ・ドゥスンの自宅周辺にも多くの人が取り囲み、出所日数日前から警察がガードしなければならない状態だった。警察は、家の前で騒ぎを起こした20代の若者8人を騒乱行為と公務執行妨害などの疑いで調査し立件するとしている。
その他、警備の警察に喧嘩を売るような行為や、家の裏のガス管から壁を上って侵入しようとした者など、その行為はエスカレートしていった。出所の日に、近隣の住民からアンサン警察所へ、騒音などチョ・ドゥスン騒動に関連した通報は午前中だけで100件近くも上ったという。
騒ぎに乗じて再生回数稼ぐ動画配信
今回の騒ぎは、市民の怒りはもちろんだが、10〜20代の若者が中心となって騒ぎを起こしていたようにみえる。特にライブ中継をする人などユーチューバーたちが暴走している状態だ。
動画サイト「アフリカTV」は、韓国で人気の高い個人配信サイトだが、ある配信者はチョ・ドゥスンの生配信を3日間行い、放送中の広告収入でなんと1700万ウォンも稼いだという。
この配信者は、その後「この広告収入はアンサン市へ寄付する」と公表したが、このようにチョ・ドゥスンの出所を利用し大金を稼いだ配信者は大勢いただろう。