コロナ「独自路線」のスウェーデン首都、ICU占有率99%
Sweden's Largest City, Has Only Seven ICU Beds Free Amid COVID Surge
スウェーデンはパンデミック当初からほかの国々とは一線を画し、外出制限や学校・職場・国境の閉鎖を行わない独自の対策を取ってきた。厳しい制限措置の代わりに集団免疫の獲得を目指し、ソーシャル・ディスタンスの確保など、市民の自発的な対策に頼ってきた。
しかし6月後半までには、新型コロナウイルスによる死者数が近隣諸国を大幅に上回る事態となった。スウェーデンの死者数が5300人を超えていたのに対し、ノルウェーは約250人、デンマークは600人でフィンランドは325人だった(これらの国はスウェーデンに比べて人口が約2分の1ではあるが)。
その後もスウェーデンの感染者数は増え続け、10月には規制を強化したが、11月までには1日当たりの新たな感染者数が過去最多を更新する日が続くようになった。
それでもマスク着用は勧めない
政府は、11月20日からバーやレストランに対して夜10時以降のアルコール類の提供を禁止。さらに21県のうち5県で行動ガイドラインを強化し、パーティーの開催や参加をやめ、公共交通機関での移動を控えるよう求めた。12月3日には、スウェーデンのステファン・ロベーン首相が年内いっぱいは高校を閉鎖し、リモート学習に切り換えると発表した。
だが、集団免疫政策を主導してきたスウェーデンの公衆衛生庁は3日、今後も国民にマスクの着用を推奨することはしないと表明。これに先立ち世界保健機関(WHO)はマスク着用のガイドラインをますます強化し、感染が拡大している地域では、換気の悪い屋内では全ての人がマスクを着用すべきとしたのだが、公衆衛生庁によればマスクが感染防止に有効というエビデンスは少ないなどの理由で人々の自由に任せてきている。
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