豪中炎上のフェイク画像を作成した過激アーティストが中国の「国民的英雄」に
Chinese Artist a National Hero After Australia War Crimes Tweet Causes Row
「烏合麒麟」は1日、中国共産党機関紙人民日報系のタブロイド紙「環球時報」にエッセーを寄稿し、問題となった偽画像は11月23日にフォトショップを使って作成したものだと認めた。彼は、オーストラリアの国家元首が自分の作品に異議を唱えるなんて「信じられなかった」とし、モリソンは自分よりもオーストラリアの政府と軍に怒りの矛先を向けるべきだと書いた。
また「烏合麒麟」は、11月にオーストラリア国防軍(ADF)が、アフガニスタン戦争中に特殊部隊が犯した戦争犯罪についての調査結果を発表した報告書から「インスピレーションを得て」画像を作成したことも明らかにした。ADFの報告書は、2005年から2016年にかけて、ADFの特殊部隊がアフガニスタンで囚人や民間人、少なくとも39人を殺害していたという内容だった。
「もちろん、画像に表現した要素や光景は実際に起こったことではない」と「烏合麒麟」は環球時報に書いた。「オーストラリア軍の兵士が、実際にオーストラリアの国旗の上に立っていた訳でも、子羊を抱えたアフガニスタンの子どもの頭を国旗で覆った訳でもない」。そう説明した上で彼は、画像はADFの報告書に書かれた「事実に基づいて」創作したものだと説明し、画像を見る人々は、それが実際の写真かどうかに注目するのではなく、その「内容」に目を向けるべきだと述べた。
両国関係は既に悪化していた
オーストラリアと中国の関係は、この画像が投稿される前から冷え込んでいた。中国政府が11月27日に、オーストラリア産ワインに同28日から107~212%の追加関税を課すと発表したためだ。ほかにも中国はオーストラリア産のロブスター、大麦、石炭や砂糖を標的に輸入規制を強化しており、両国の政治的緊張は高まっている。
オーストラリアは自国産ワインへの追加関税措置を受けて、中国を世界貿易機関(WTO)に提訴することも検討するとしている。