最新記事

アメリカ社会

コロナ禍の米感謝祭 トランプ「家や礼拝施設に集い神に感謝を」、バイデン「自宅に留まる行動が国民へのギフト」

2020年11月27日(金)10時43分

米国では26日、感謝祭の祝日を迎えた。家族や親戚、友人が一同に集い夕食を共にするのが通例だが、新型コロナウイルス感染の猛威が衰えを見せない中、今年は帰省を見合わせ、ビデオ通話を通じた小規模な集まりが増える見通しだ。ニューヨークで25日撮影(2020年 ロイター/CARLO ALLEGRI)

米国では26日、感謝祭の祝日を迎えた。家族や親戚、友人が一同に集い夕食を共にするのが通例だが、新型コロナウイルス感染の猛威が衰えを見せない中、今年は帰省を見合わせ、ビデオ通話を通じた小規模な集まりが増える見通しだ。

感謝祭の恒例イベントである百貨店メーシーズのパレードも今年はテレビ放送での開催となり、コロナ禍の影響を大きく受けた。

米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は妻のジル氏と地元で静かな感謝祭を迎え、今年は大きな集まりは開かず、娘夫婦のみを夕食に招くとした。

バイデン氏はツイッターに投稿した動画で「多くの国民がこのような形で休暇を過ごすことを望んでいないことは理解している。しかし、われわれは自宅にとどまるという行動が米国民全員へのギフトであることも分かっている」とし、「良い時期は訪れる」と励ましのメッセージを送った。

一方、感謝祭の集まりが新型コロナ感染リスクよりも重要とする向きも少なくはない。米国ではコロナ感染症による入院者数が前日に8万9000人超と、これまでの最多を記録。保健当局は感謝祭を引き金に全米の死者が増加する恐れがあると警鐘を鳴らし、休暇中の移動や集まりを自粛するよう促しているが、米運輸保安局(TSA)によると、20─25日に航空機を利用した旅客数は約600万人に達した。

さらに、オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの調査によると、約40%の国民が感謝祭休暇中に10人以上もしくは家族以外の「リスクの高い集まり」に参加することを計画しているほか、約30%が招待客にマスク着用は求めない方針という。

トランプ大統領もフロリダ州に所有する別荘「マール・ア・ラーゴ」には向かわず、ワシントン周辺で静かな感謝祭を迎えた。しかし、感謝祭の休暇を安全に過ごすよう促すバイデン氏とは対照的に、「米国民全員に家や礼拝施設に集い、神に感謝の祈りをささげることを勧める」と述べた。

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中