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中東イラク軍、米制裁対象の元イラン系民兵組織メンバーを幹部に起用へ
複数の関係筋によると、イラク軍は米国の制裁対象となっているイラン系民兵組織の元メンバーをイラク軍の幹部として養成するため、エジプトに派遣した。 写真は10月、バグダッドで行われたれた抗議デモで、イラン革命防衛隊を指揮したソレイマニ司令官イラク武装組織のアブ・マフディ・アル・ムハンディス司令官のポスターを掲げる男性(2020年 ロイター/ Thaier Al-Sudani)
複数の関係筋によると、イラク軍は米国の制裁対象となっているイラン系民兵組織の元メンバーをイラク軍の幹部として養成するため、エジプトに派遣した。
イラク国内のイラン系民兵組織の力をそぐことが狙い。イラクのムスタファ・カディミ首相が連携する米政府も、中東でのイランの影響力低下を目指しているが、イラク軍が米国の制裁対象となっている人物を軍幹部として養成するのは異例だ。
エジプトに派遣されたのは、イラクの民兵組織の連合体「人民動員隊(PMF)」で治安部門を指揮するアブー・ザイナブ・アル・ラミ氏。1年間にわたってエジプトで訓練を受ける。
同氏は、イランの支援を受ける民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」の元メンバー。反政府デモの参加者を殺害したとして米国の制裁対象となっているが、同氏は殺害への関与を否定している。
人権侵害の疑惑があるイランに近い人物をイラク軍幹部に登用することについては、リスクが高いとの批判が一部で出ているが、カディミ首相は、イラン系の強硬派の一部をイラク軍に取り込み、政権の安定を図りたい意向とみられる。
PMFは建前上は国の軍事組織の一部だが、傘下の有力戦闘団はイランから支援を受けており、こうした現状を変えることがカディミ首相の狙いとみられている。
イラク、イラン両政府のコメントはとれていない。米国務省はコメントを控えている。
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