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感染症対策米製薬大手イーライリリー、コロナ抗体医薬の治験一時中断 安全性に懸念
米製薬大手イーライリリーは13日、開発中の新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬品について、安全性を巡る懸念から臨床試験(治験)を一時中断したと明らかにした。仏ストラスブールで2018年2月撮影(2020年 ロイター/VINCENT KESSLER)
米製薬大手イーライリリーは13日、開発中の新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬品について、安全性を巡る懸念から臨床試験(治験)を一時中断したと明らかにした。
イーライリリーの抗体医薬品「LY─CoV555」 は米政府の支援対象。イーライリリーの広報担当者は「データ安全性監視委員会(DSMB)は十分な慎重性を期すため、参加者募集の一時中断を助言した」とし、「イーライリリーは治験参加者の安全を守るため、DSMBの決定を支持する」とした。
イーライリリーが実施している治験は「ACTIV─3」と呼ばれるもので、新型ウイルス感染症で入院している患者らを対象に8月に開始した。主に米国内で1万人の被験者募集を目標としている。
同社は7日、米食品医薬品局(FDA)に新型ウイルス抗体医薬の緊急使用認可を申請したと発表。治験中断について、FDA、および米国立衛生研究所(NIH)からコメントは得られていない。
新型ウイルスに感染し米リジェネロン・ファーマシューティカルズが開発中の「抗体カクテル」の投与を受けたトランプ米大統領は7日にツイッターに投稿したビデオで、自身の新型ウイルス感染症からの回復を助けたとして、リジェネロンとイーライリリーの新型コロナ治療薬の効果を絶賛し、これらの薬の緊急使用を認める考えを示していた。
新型ウイルスワクチンを巡っては、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が12日、被験者に原因不明の症状が出たことで治験の一時中断を発表。9月には英アストラゼネカがオックスフォード大学と開発する新型コロナワクチンの治験を一時中断した。