文在寅政権の集会禁止はコロナ対策か政治弾圧か
韓国では過去にも、抗議活動に対する警察の厳しい取り締まりが繰り返されてきた。2011年には、光化門広場に警察バスの壁が築かれ、数百人の警官がデモ隊を抑え込むために動員された。このほかにも前政権時代には少なくとも2~3回、同様の措置が取られている。
当時、野党指導者だった文在寅(ムン・ジェイン)現大統領は、こうした動きを「違憲」だとして繰り返し批判した。2015年11月には、「憲法に反する警察バスの壁によって、韓国の民主主義が阻止された」とツイッターに書き込んだ。
「大統領は国民を阻止するのではなく、国民の声を聞くべきだ。強権的な弾圧の責任者は徹底的に調査によって処罰されるべきだ」
だが政権を握った今、文はこうした弾圧に理解を示しているように見える。デモ隊は10月9日の祝日にも集会を計画していたが、当局は開催禁止を通告。裁判所も政府の決定を支持した。
From thediplomat.com
<2020年10月20日号掲載>