韓国・動物愛護センター「はねられた犬を保護、治療費が払えず困ってる」 まさかの募金詐欺が続々
怪我をした動物のため募金を呼びかける投稿をインスタグラムに投稿したが…… KBS News / YouTube
<痛々しい動物の姿に多くの人が胸を痛め、回復を願って募金を送ったのだが──>
SNSが世の中に浸透し、自分のメッセージを一瞬にして世界中にシェアすることができるようになった。最近では、クラウドファンディングなどで投稿した人の気持ちに共感した人たちが、オンラインを通じ手軽に募金も行えるようになり、困っている人の助けにもなっている。
しかし、便利な世の中になると、残念ながらそれらを悪用しようとする人も増えてくる。先日、韓国のあるSNS投稿から動物を使った募金詐欺が発覚し、波紋を広げている。
9月8日、ある動物愛護センターが、インスタグラムに犬の手術治療費募金の呼びかけを始めた。そこには「道ではねられた犬を保護した。しかし、動物病院の治療費が払えず困っている。助けて欲しい」という説明とともに、治療を受けながら横たわる犬の写真が投稿されていた。
その2日後の10日には、「息も絶え絶えで、容態はあまり良くない」と投稿され、このインスタグラムを見た多くの愛犬家たちは、犬の手術費用にと送金を始めた。たった数日間で集まった金額は、609万ウォン(約60万円)にものぼったという。しかし、翌日11日には、「前日の夜に犬が亡くなってしまった」という悲報が写真と共に投稿された。
予想以上の募金が集まってしまい......
ところが、この犬は救助された8日の午後1時57分に動物病院に運び込まれ、夕方5時過ぎには既に亡くなっていた、という事実が発覚した。動物愛護センターは、既に亡くなった犬の姿を写真に撮り、あたかも生きているように演出して募金活動を続けていたのだ。
その後、動物愛護センター側は「思いのほか多額の募金が集まったため、センター内の他の犬たちの治療費に充てようと嘘をついてしまった」と、事実を認めている。動物愛護センターでは、治療が必要な犬を動物病院に入院させたものの、完治後もお金が払えず退院できないままの犬がいる経済状態だったとし、現在募金は、送金者の元へ返金を開始しているという。
動物愛護活動のユーチューバーの実態は
動物を利用した募金詐欺が注目を集めたのは今回が初めてではない。今年の5月8日、韓国大統領府のウェブサイトにある国民請願掲示板に「詐欺、動物虐待をしたユーチューバー"ガプス牧場"の獣医大除籍を要求する」という請願が投稿された。
"ガプス牧場"は、現役獣医大生が配信している動物系ユーチューブチャンネルだ。野良犬や野良猫を保護し、里親を見つけるまでを追った動画配信で、フォロワー数も50万人を超えるほどの人気があり、多くのサポーターたちが動物を助けるために募金も行っていたという。