最新記事

デモ

キルギス、議会選挙に不満のデモ隊が政府庁舎に乱入 収監の前大統領を解放

2020年10月6日(火)14時30分

中央アジアのキルギスで議会選挙の結果に抗議して政府庁舎に押し掛けたデモ隊。5日撮影。(2020年 ロイター/Vladimir Pirogov)

中央アジアのキルギスで6日早く、議会選挙の結果に抗議するデモ隊が大統領府と議会が入った政府庁舎に突入した。その後、国家保安委員会の本部にも押し入り、実刑判決を受けて収監されていたアタムバエフ前大統領を解放した。複数の現地ニュースサイトが伝えた。

数千人規模のデモ隊は、4日の議会選で2つの体制派政党が圧勝したとの暫定結果に抗議し、選挙結果を無効にするよう求めた。現地ニュースサイト「24.kg」によると、中央選管は6日、デモ隊の要求を検討する考えを示した。

ロシア通信(RIA)によると、ジェエンベコフ大統領の報道官は、大統領が選挙結果を無効にする可能性を否定しなかったと述べた。

現地ニュースサイトによると、警察は5日遅くにデモ隊を解散させていたが、数時間後に首都ビシケクの中心部の広場に再びデモ隊が集結。その後、現地で「ホワイトハウス」と呼ばれている大統領府と議会が入った政府庁舎に突入した。

同庁舎では6日午前に火災が発生したが、すぐに消し止められた。

解放されたアタムバエフ前大統領は6月に汚職罪で11年2カ月の禁錮刑を言い渡されていた。

ジェエンベコフ大統領は5日遅く、4日の議会選に参加した全ての政党の党首と6日に会合を開く考えを示した。

キルギス政府によると、5日夜から6日朝にかけて起きたデモに伴う衝突で1人が死亡し、数百人が負傷した。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・大統領を救え! トランプのコロナ治療計画、「抗体カクテル」を使用
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ



20250204issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月4日号(1月28日発売)は「トランプ革命」特集。大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で、世界はこう変わる


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

サムスン、第1四半期のAI半導体低迷を警告 米の対

ワールド

ガザ検問所に米退役軍人配置へ、イスラエル・アラブ諸

ワールド

米レーガン空港、ヘリとのニアミス事案頻発 80年代

ビジネス

コマツ、今吉専務が社長就任へ 小川社長は会長に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中